みんなで一緒に学ぶきっかけを提供する
そしてLGBTQ+の問題にすでに関心がある人だけでなく、その周囲の人たちまで巻き込んでいくために、「人権意識はあるが何をすればよいか分からない」というビジネスパーソンを主なターゲットとして企画を考えていった。
「『はじめから、正しい行動を完璧にできている人なんていない』という前提に立って、『今できていないことを糾弾する』のではなく、具体的にどんなことをすればよいか、『みんなで一緒に学んでいくキッカケを提供する』ことを目指して、この原稿を見た人が小さな一歩を踏み出せるような企画『Pride Action30』を考えました。このアクションの趣旨に賛同する企業が社内外で継続的に活用して実践できるように、コンテンツアセットとして公開したことも気をつけたポイントです」(三戸氏)
制作にあたっては、クリエイティブのスタッフだけで考えるのではなく、LGBTQ+当事者の声を聞き、多角的な視点から企画を精査。プライドハウス東京とパナソニック コネクトと緊密に連携し、アクションの選定から細かなコピーの詰めに至るまで丁寧に進めていったという。
「電通グループによる『LGBTQ+調査2023』では、LGBTQ+に対するインクルージョン意識は浸透してきているものの、実際に何か行動をとっている非当事者はまだまだ少ないことがわかっています。『知識はあるがどこか他人事』という層にアプローチするためにも、企業が連帯してコミュニケーションを展開できた意義は大きいと思います」と、コンサルタント 中川紗佑里氏。