自動車部品メーカーがBtoCに挑戦 独自の加工技術でタンブラーを開発、カネミツ

クラウドファンディングで100個を目標に販売

カネミツは、本業の自動車部品製造の技術を用いたハイボールタンブラー「emten – tumbler (エムテンタンブラー)」を開発した。2023年に立ち上げた新規事業プロジェクトの一環で、自社技術を活用した一般消費者向けの商品を扱う新ブランド「m10(エムテン)」を立ち上げ、第1弾としてタンブラーを発売。同社は⾃動⾞や農機エンジン⽤部品「プーリ」の最大手企業だが、自動車業界が変革期にある中、自社事業を変革する新戦略としてBtoC事業に参入した。6月28日からクラウドファンディングで販売開始。まずは100個を目標に掲げる。

写真 商品・製品 しずく型の滑らかな曲面を実現した「emten - tumbler (エムテンタンブラー)」

しずく型の滑らかな曲面を実現した「emten – tumbler (エムテンタンブラー)」

「エムテンタンブラー」は、1枚の1.2ミリのステンレス板を使って開発。同社は自動車部品の開発で、回転成形やプレス加工によって1枚の鋼板を加工する技術に長けており、同製品にも生かされている。切削などに⽐べ、素材ロスが少なく、環境負荷の低減にもつながる。

上部に向かって口径が小さくなるしずく型の形状で、同社によると、このような形を金属で作ることは一般的な技術では難しいという。同製品は「断面」にまでこだわった設計で、下部は安定感や重量感を持たせるために1.2ミリの厚みを持たせつつ、口元にかけて徐々に減肉し、0.4ミリの薄さに仕上げている。常務執行役員の寺坂孝雄氏は「普段人目につくことのない自動車部品の製造を行っているからこそ、目には見えない細部にもこだわった」と話した。

内面は鏡面仕上げとなっているほか、冷凍可能な耐久性も特長。冷凍庫に容器を入れておくことで、氷を入れずに冷えたハイボールを楽しめる。

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