自動車部品メーカーがBtoCに挑戦 独自の加工技術でタンブラーを開発、カネミツ

写真 独自の回転成形法やプレス増肉工法などカネミツの技術力を生かしてタンブラーを開発

独自の回転成形法やプレス増肉工法などカネミツの技術力を生かしてタンブラーを開発

新ブランド「m10」は、「moment 10 – 10分、10秒。それだけでも。贅沢な時間は、日常を彩る。」をビジョンに掲げている。ブランド第1号がタンブラーとなった理由は、同社の技術力を分かりやすく生かせると考えたからだという。今後、タンブラー以外にも同社技術を応用した商品を展開する方針だ。

自社事業の変革にはまず「組織の変革」が一番に求められるとし、従来のBtoBの枠組みにとらわれず、新しい挑戦を受け入れる風土づくりを推進。寺坂氏は「BtoBビジネスモデルは構造上、エンドユーザーまでの距離が遠いのが通例」とし、BtoC事業への参画は難しい挑戦になるとしている。一方、社内から有志で募った新規事業推進プロジェクトのメンバーで打ち合わせを重ねるうちに、「当社が培ってきた技術を直接お客さまに届けることができる、オンリーワンの製品開発にチャレンジしたいという気持ちが徐々に大きくなった」という。

カネミツは1947年に兵庫県明石市で創業した金属加工メーカー。1957年に独自の回転成形法を発明し、現在は自動車や農機エンジン用部品の「プーリ」の最大手企業として活躍している。同社は地域や社会とのつながりを重視しており、「m10」ブランドにおいても、地元の明石を中心とした兵庫県エリアでPR活動やプロモーションを実施する考え。寺坂氏は「身近なところから一歩ずつ、まずは顔が見えるお客さまに良さを感じていただくことができてはじめて、その後のスケールにつながる」と話す。

寺坂氏は「BtoCへの参入は当社として初めての試み。手探りではあるが、ゆくゆくは当社の主力の一部を担う事業に成長させることを目標に、一歩ずつ着実にブランドを育てていきたい」と意気込みを語った。

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