フォーバル GDXリサーチ研究所は、中小企業のESG経営について調査をした「研究レポート」を6月28日に発行した。調査対象者は全国の中小企業経営者であり、有効回答数は990人。調査期間は2024年4月1日~5月31日となっている。
「自社領域におけるCO2排出量の把握」については、「使用量のデータを数値で把握し、文書による記録及び保存をしている」と回答した人は7.8%にとどまり、「実態の把握には至っていない」が72.5%と大半を占める結果となった。
また、「CO2削減につながる環境活動の取り組みの状況」をたずねる質問では、最も多く選択されたのが「省エネルギー活動(意識的な活動:無駄な電気を消すや空調の適正な温度設定など)」で664回答、次いで「廃棄物削減活動(意識的な活動:マイボトル推奨、ごみの分別、裏紙や両面印刷使用など)」が630回答、「廃棄物削減活動(ペーパーレス化による紙の使用削減)」が578回答となり、この3選択肢が上位を占めた。
一方で、「グリーンエネルギー使用活動 (グリーン電力使用、カーボンオフセット)」は131回答、「環境にプラスの影響を及ぼす事業活動の展開(環境配慮商品の製造・販売やサービス提供)」は149回答と、選択肢の中では取り組みが少ない結果となった。
「CO2削減量の把握及び管理」については、「CO2の削減量を数値で把握及び管理ができている」は6.6%となり、「具体的な取り組みをしていない」は66.3%という結果となった。
これらの結果を経てフォーバル GDXリサーチ研究所は、「ESG経営を進めるにあたって、自社のCO2排出量の把握が最初に取り組むべき項目ですが、現時点では中小企業の7割以上が把握できていない結果となりました。日本政府がカーボンニュートラルを2050年に実現する目標を立てていますが、こうした取り組みは大企業のみならず、サプライチェーンを構成する中小企業にとっても不可避であり、その傾向は今後ますます強まると予想できます」とコメント。中小企業におけるESGへの取り組みの必要性を述べた。