第一線のマーケター・クリエイターが明かす、キャリアアップの奥義。今回は、江崎グリコでデジタル推進部長を務める武子弘司さんに、マスメディアンの荒川がこれまでのキャリアについて伺いました。良い転職は、良質な情報を入手することから始まります。「こんなはずではなかったのに…」とならないための、転職情報をお届けします!
【前回はこちら】自分自身が楽しんでつくる。ファンをつくるサイクルを広げたい
仕事の面白さを味わった営業時代
━━新卒で花王に入社した理由を教えてください。
学生の頃から、営業やマーケティングの仕事に興味はありましたが、強く希望する企業や業界はありませんでした。大学で教員免許を取ったので、5年くらい一般企業で働いたあと、学校の先生か、家業を継ぐか、さまざまな道を考えていました。
花王に決めたのは、エリアを担当する販売部門があったから。まずは生活者に商品が届くのに一番近いところで仕事をしたかったんです。
江崎グリコ デジタル推進部長
武子弘司 氏
1993年に大学卒業後、花王に入社しエリア・チェーンストアの営業、事業企画・ブランド(商品開発)、CRMなどのマーケティング全般を経験。その後eコマース、流通開発、先端技術戦略室の部長を歴任したのち、2019年に江崎グリコに入社。コーポレートコミュニケーション部デジタルコミュニケーショングループ長兼経営企画部担当部長を経て、2022年12月から現職。
営業の仕事は楽しかったですね。最初は神奈川県の武蔵小杉や溝の口のエリアを担当しました。当時、再開発に向けた動きがあり、「このあたりに何かできます?」と地元の方に聞くと、「マンションの建設構想があり、大型施設ができるだろう」と教えてくれました。「これから若い人やファミリー層が移住してくる」と考えて情報を集め、アイデアを出すのはすごく面白かったですね。
その後、ウォルマートが西友を買収するという噂が出た際には対策チームにも入りました。事業・デジタル・CRM・eコマース・先端技術などの業務にも携わるうちに花王の仕事の面白さにハマり、5年で辞めるのも忘れてしまいました(笑)。