JARO、広告審査概況を発表 23年度の広告苦情は「医薬部外品」が最多

日本広告審査機構(JARO)は6月28日、2023年度にJAROへ寄せられた広告苦情における審査概況を発表した。総受付件数は1万874件、うち苦情は8,727件で、コロナ前の2018年度並みの件数となった。

苦情の上位5業種は、医薬部外品、医薬品、化粧品、オンラインゲーム、電子書籍・ビデオ・音楽配信。そのうち、とくに医薬品、オンラインゲーム、電子書籍・ビデオ・音楽配信などが増加した。化粧品は前年度に続いて大きく減少。

業種別で見ると、苦情の件数がもっとも多くなったのは医薬部外品で491件。2022年度の過去最多件数(510件)から若干減少したが、引き続き業種別で最多となった。また、医薬部外品に寄せられた苦情は、広告主 10社余りに集中しているのが特徴。商品は育毛剤、除毛剤、美容液、クリーム、歯磨き、整腸剤などだった。

育毛剤では、使用前後写真を用いて過度な発毛効果を表示しながら「個人の感想です」と打ち消す表示を行っていることへの“疑義”。そして薬用歯みがきでは、歯の白さを強調した使用前後写真が加工もしくは別人であるなど体験談が虚偽であることの指摘が多数寄せられたという。

媒体別の苦情件数はインターネットが最多に

媒体別で見ると、インターネットが4035件で最も苦情が多い結果に。インターネットは2020年度に苦情件数の最多を記録した後、減少が続いたが、今期は前年度比100.8%と微増。テレビは1割減、ラジオは1割増となった。

媒体別苦情数のトップだったインターネットの内訳を見ると、上位は業種別と同じく医薬部外品 369件(前年度比 108.5%)。次いで医薬品 274件(104.8%)、電子書籍・ビデオ・音楽配信 230件(113.3%)で、いずれも増加した。

一方、テレビでもっとも寄せられた苦情の業種は、医薬品 139件(同 136.3%)。しかし、前年度と比較すると80.0%と減少した。苦情の件数が増加したのは、事業者向け商品・サービス 109件(同 198.2%)、企業広告 103件(同145.1%)など。


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