偽広告の実態解明が急務 デジタル広告の健全化確保に向けた検討会、総務省

中間とりまとめ案では、プラットフォーム事業者による偽・誤情報への対応の在り方について、「情報伝達プラットフォームサービスは、偽・誤情報の流通・拡散や、それによる社会的影響の発生・増幅をもたらすリスクを構造的に有している」と記載。一方で、国内における偽・誤情報の流通・拡散への対応を含む取組状況は十分とは言えないとも指摘しており、新たな具体的な対応が求められているという。

「広告の質の確保を通じた情報流通の健全性確保の在り方」についても指摘。プラットフォーム上でのなりすまし型の「偽広告」や、偽・誤情報を含む広告、違法なデジタル広告が流通・拡散しており社会的影響が発生・増幅しているとしている。こうした影響の軽減に向けては、プラットフォームの事業者のみならず、広告主や広告会社にも対応が求められるべきとした。

生成AIについては「生成される偽・誤情報への対応に関する制度面からのアプローチについては、今後、技術の進展やサービスの普及の状況等を踏まえつつ、必要な対応の検討を進めることが適当」と記載。具体的な対策として、生成段階においてAI生成物であることをラベリングすること、プラットフォームにおいてAI生成物を検知したり、送信する際にAI生成物をラベリングした上で伝送したりすることが有効との指摘があるという。

今回のワーキンググループでは、中間とりまとめ案の文面について議論を交わした。プラットフォーム事業者が対応するべき偽・誤情報の定義について、過剰な表現規制を避けるため、より明確化が必要という声が多かった。

関西大学社会学部メディア専攻の水谷瑛嗣郎准教授は、表現の自由やプラットフォーム事業者の自由に対して、政府の過度な介入を防ぐため慎重に議論を進めていく必要があると訴えた。

「広告の質の確保を通じた情報流通の健全性確保の在り方」で、「意識の高い一部の広告主を除き、広告主において問題に気づいていない(問題と思っていない)、又は問題に気づいていても対策できていない」といった表現について、「エビデンスを取るべき」という指摘もあった。広告を介した投資詐欺などはヒアリングを通じて実態解明することが重要という意見も寄せられた。

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