アサヒコ社長流「常識外れのヒット商品」のつくり方

商品開発に必要なものは何か

私は商品開発に特別な能力は必要ないと思っています。「豆腐バー」をはじめ、「キシリクリスタル ミントのど飴」「メープルマニア」に共通するのは、見過ごしがちな日常の機微の中にヒントを見出しているということです。

  • 生活の中でちょっとした不便や不満に気づけるか?
  • 「人が何に喜びを感じるか」の本質を理解しているか?
  • ささやかな幸せを見過ごしていないか?

「常識」という目隠しで見えにくくなっているだけで、どんなカテゴリにおいても、新商品のヒントやヒットの芽は皆さんの周りに無数に存在しているのではないでしょうか。一見、見落としてしまいそうな小さな疑問や不満を、いかに商品に落とし込んで価値を生み出せるかが重要なのです。

私の商品開発プロセスは大きく3つのフェーズにわかれます。アイデア開発→具現化→実行です。アイデア開発フェーズでは先に触れた融通無碍の発想が重要なのですが、そのためには市場・自社・競合・消費者の入念なデータ分析が必要です。それぞれの現状を論理立てて整理してみると、「なぜ市場・競合・消費者がこう動いているのか」ということが理解できます。目の前で起きていること(現状)の本質を捉えて頭に叩き込むと、潜在意識下まで課題を落とし込むことができ、ふと周囲を見渡した時に開発のヒントに気づきやすくなるのです。

続く具現化フェーズでは、新企画が本当に実現できるのかを検証していきます。まず、プロジェクトの目的・目標・ターゲット・スケジュール・スコープ・役割を改めて整理。その内容をまとめて、メンバーにどうしてほしいのかをきちんと説明して、協力を仰ぎます。私が「豆腐を堅くしたい!」と言い出した時には、まさにこれらを明確に示すことで皆を巻き込み、効率的に精度の高いプロトタイプを開発することができました。

商品開発時にメンバーに共有すべきこと。

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池田未央(アサヒコ 代表取締役)
池田未央(アサヒコ 代表取締役)

2018年にアサヒコ入社、2023年5月より現職。国内外の菓子・食品メーカーにて商品開発とマーケティングに25年以上従事。ブランドマネージャー、プロダクトマネージャーの経験から、商品を生み出す川上から消費者の手に渡る川下までを一気通貫してリードできる知識と経験を有す。また、各業界で新しい視点でヒット商品を手掛ける。

池田未央(アサヒコ 代表取締役)

2018年にアサヒコ入社、2023年5月より現職。国内外の菓子・食品メーカーにて商品開発とマーケティングに25年以上従事。ブランドマネージャー、プロダクトマネージャーの経験から、商品を生み出す川上から消費者の手に渡る川下までを一気通貫してリードできる知識と経験を有す。また、各業界で新しい視点でヒット商品を手掛ける。

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