「無風」から抜け出すためのアプローチ「広報=桶屋理論」
「無風=凪」の状態から抜け出し、「追い風」にしていくためのアプローチとして、最近私が考えた「広報=桶屋理論」というフレームワークがあります。
皆さん「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉(ことわざ)は聞いたことがあると思いますが、これは「ある事象の発生により、一見すると全く関係がないと思われる場所・物事に影響が及ぶことの喩え」です(wikipedia参照)。
具体的には以下のようなロジックです。
筆者作成
広報を「桶屋」となぞらえると、「風」が吹いたとき(上記①の事象)に、これを自分たちにとって「追い風」、つまり大きなPR発信機会だと捉えられるようになることがPRパーソンとして重要です。
上記の数字が若いとき、つまり①~③のように上流にある事象ほど影響を受ける人が多いため、早い段階で上流にある事象を自社の文脈でつないで物語化(ストーリー化)することができれば、世間の関心・アテンションをひきつけることが可能になります。
他方、下流にいくほど影響範囲が狭くなり、時間軸も経過しているので、そのインパクトは限定的になります。
大半の広報担当者は⑤や⑥の段階、つまり自社への影響が具体的に見えてきたタイミングでようやく自社の文脈として捉えだすことが多く、結果として発信機会の旬を逸してしまう、もしくは業界の片隅でしか話題にならずに終わってしまうケースが多い、というのが実感です。
前回のコラムでも自社の動向だけでなく、政策動向や競合、顧客の動向まで定期的にウォッチすることの重要性をお伝えさせていただきましたが、何より重要なのは「自社がいまどの状態(追い風・向かい風・無風)にあるのか」「世の中のどの文脈・タイミングを捉えたら自社の追い風にできるか」という視点や仮説を持って情報収集することだと考えます。
社会の「風」を読み、それを「追い風」にしていけるよう、まずは日頃の情報収集から工夫してはいかがでしょうか。
それでは長くなりましたがこの辺で。
※なお、2024年1月から隔週で更新してきた本コラムですが、今回で一区切りとなります。今後も新たなトピックが生じた際や、「こういうテーマで書いてほしい」「この質問に答えてほしい」といったリクエストをいただいた際には、不定期でコラムを掲載していく予定です。引き続き質問・感想・ご意見お待ちしております。
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