東京・池尻大橋のOFS GALLERYにて、D-BROSの企画展【「時」と Graphic Design ー過去と未来とー】が開催中だ。
「D-BROS」は、広告制作・グラフィックデザインを主とするDRAFT (ドラフト)の代表・宮田識氏が1995年に立ち上げた自社ブランド。グラフィックデザイナーがプロダクトを創造することにより、デザインの楽しさを伝え、それを新しい動きにしたいという想いから生まれた。ブランド名の由来は母体であるドラフトの兄弟・DRAFT BROTHERからきている。 カレンダー、フラワーベース、手帳、メモ、グラスなど、どのプロダクトもグラフィックデザインを活かし、遊び心にあふれており、その点数は1400点を超える。そんなD-BROSは、来年2025年に30周年を迎える。
本展では、「デザイナーとしてどうあるべきか?」を真摯に考え、積み重ねてきたD-BROSによる商品の一部をカテゴリーごとに展示。また、惜しくも廃盤となった過去のD-BROSのペーパーアイテムを数量限定で販売する。さらに、かつて品川と梅田にあった、D-BROSのオリジナルショップ<STAMP it !>で展開していたユーザー参加型プロダクトも用意されている。
展示にあたり、宮田氏は29年間の活動を振り返って、次のようにコメントを寄せている。
「ただただ楽しんでいました。同時に、作りたいものを作り、うまく作れないことにガッカリしました。いくら自由があったとしても、夢や妄想だけでは社会をアッと言わせることはできません。それ以上に、自分たちのアイデアの貧弱さにガッカリしてきたような気がします。あるとき考えました。何が問題なのか?
僕たちが求めている技術やテクスチャーはすでにこの世には存在しないのではないか。
超人的な人の技術を借りても作ることはできなくなったのではないか。
・・・・・・。
機械が変わり、システムが変わり、パソコンが、イラストレーターやフォトショップがほとんどのことを処理してくれ、さらにAIが人の感性の領域までこなしてしまう、そんな「時」がすでに始まっています。
だからこそD-BROSは、これからあらためて、人の持つ力、感覚や感性を見つめ直して社会と向き合ってみたいと思います。
AIやロボットの能力の素晴らしさを納得した上で、人の持つ潜在能力を信じて今の「時」を進んでいきたいと思います。」
7月11日には、本展開催記念として、デザインジャーナリスト 川島蓉子氏、アートディレクター 永井裕明氏、そして 宮田氏によるトークイベントが開催される(事前予約/参加費600円)。会期は、7月28日まで。
会期 : 7月28日(日)まで
会場 : OFS GALLERY
時間 : 12時~20時(最終日は18時まで)
休廊: 火曜日・水曜日
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