「接客コンテスト」を初開催 セブン-イレブンの50周年事業

※本記事では月刊『広報会議』2024年8月号(7月1日発売)に掲載した連載企画「周年イヤーの迎え方」を転載しています。

コアマンスに集中発信

セブン-イレブン・ジャパンは、2023年11月に創業50周年を迎えた。

周年にあたり、未来へ向けて目指す姿として「明日の笑顔を共に創る」というスローガンを制定し、「健康」「地域」「環境」「人財」という4つのビジョンを公表。これらの発信は、周年を迎えた企業へのヒアリングや、自社の課題整理などを通じて生まれたものだという。

周年ロゴは、同社「セブンプレミアム」のデザインも手がけた佐藤可士和氏に依頼。同社のアイデンティティである赤・緑・オレンジのトライストライプで構成し、インフィニティマークを想起させるデザインに。

「これまでの周年施策はお客さまに向けたプロモーションが中心でした。しかし今回は、経営陣や現場社員を含めて話し合う場を何度か設け、未来に向けてどう発信していくかをとことん議論しました」と語るのは、50周年事業プロジェクト事務局のリーダーを務めた総務法務本部の矢田稔久氏だ。

2023年4月から2024年2月までの周年期間のうち、対外発信は周年イヤー開始の4月、セブン-イレブンの日(7月11日)がある7月、創業50周年を迎える11月をコアマンス(取り組み月間)として設定し、メリハリのある発信を意識。

なかでも、元メジャーリーガーであるイチロー氏のアンバサダー就任は社内外で大きな話題を呼んだ。

「イチローさんはもともとセブン-イレブンが好きだと公言してくださっていました。加えて、常に挑戦し続ける姿勢や仕事への向き合い方は当社の経営理念である『変化への対応と基本の徹底』と重なるものがあると感じ、就任をお願いしました」(矢田氏)。

アンバサダーに就任したイチロー氏は、テレビCMや新聞広告、周年記念サイトのほか、社内向けのビデオメッセージなどにも登場。

「施策後のアンケートでも、すべてのステークホルダーから『アンバサダー就任がもっとも印象的だった』とのコメントをいただきました」と周年プロジェクトのメンバーである坂井教人氏は話す。

また、インターナル施策ではステークホルダーごとに記念式典や懇親会を開催。全国の社員を対象に5日間・計8回開催した社員懇親会では、勤続20年と満60歳の社員を対象に、創業後初となる表彰式を実施した。この取り組みは今後も継続する予定だ。

社員や加盟店オーナーへの記念品は、一人ひとりの多様性を踏まえてオリジナルギフトを用意。4つのビジョンに合わせて「健康アイテム」「リラックス」「安心安全」「家族団欒」のカテゴリを設けた。

「加盟店オーナー様と社員、それぞれに向けた懇親会では、社長の永松がプレゼンで未来へのビジョンを語りました。参加者からは『経営陣との距離が縮まった』『会社のこれからに期待が高まった。自分も頑張りたい』といった声が届いています」とプロジェクトのサブリーダーを務めた明神麻衣子氏は話す。

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