ツール導入は事前の全体設計が肝要。失敗しないために必要な4ステップ

一般的に、プロジェクトに関わる情報を表現する方法としてWBSや業務フローチャート、パワポで分厚い企画書をつくるといったものもありますが、ページ数が多い、内容がよく分からない文書をつくってしまうと、せっかくつくった時間が報われず、認識のズレなどの問題を引き起こします。そこで、まずプロジェクト型のマインドセットになるための、単なる精神論では終わらない方法を提供する必要があります。

さらに1人の優秀なリーダーやプロジェクトマネージャーに頼らず、関与者全員のプロジェクトリテラシーを向上させ、上記2~4を行いやすくするための方法と道具が「プロジェクト譜」略して、プ譜です。

特長は小学生でも使えるぐらい簡単なフレームワークであること。シート1枚でプロジェクトの仮説、全体像、関係、状況、プロジェクトが進んでいく過程を表現し、他者に説明しやすく理解しやすいフレームワークになっています。

プ譜の構成項目は5つです。

右下には「獲得目標」の欄があり、プロジェクトで目指すゴールを記入します。その上の「勝利条件」には獲得目標が達成できたといえる評価指標や基準成功の定義を、その隣の「中間目的」には勝利条件を実現するために必要な要素とあるべき状態を、「施策」には中間目的を実現するために行う具体的な作業や行動を、一番左の「廟算8要素」には、プロジェクトを行うための所与のリソースを書いていきます。

プ譜の具体的な記入例

ツール導入プロジェクトを成功させるためには、関わる業務や人々がどうなっていくと成功なのかという言語化が必要です。このサンプルの獲得目標は「営業活動をDX化する」と非常に曖昧ですが、勝利条件欄にそのプロジェクトがどうなっていったら成功と言えるのかを言語化していきます。

サンプルでは「デジタルの接触回数を増やし、課題探索時間の短縮と精度を向上して、受注速度と確度が上がっている」と定義しています。勝利条件がない、曖昧、複数あってどれも最重要であるという状態では、行き当たりばったりの意思決定や、優先順位・トレードオフの判断がつかない、間違った意思決定をしてしまうといった問題を引き起こしてしまいます。

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