ツール導入は事前の全体設計が肝要。失敗しないために必要な4ステップ

中間目的では、勝利条件を構成する要素とその状態を記載します。勝利条件を実現するためには、まず非対面で顧客の関心や課題が把握できており、顧客の状況や検討段階に応じて必要あるいは役立つ情報を提供できているという状態をつくり出すことが必要です。

また、「役に立つ情報を提供してくれる」と、見込み客や顧客から認知されている状態も必要です。定性的だけではなく定量的な表現も必要で、例えばメール開封率が何パーセント以上になっている、ウェビナーを配信した時の視聴率が何パーセント以上になっているという状態も必要です。

これらの状態を実現するために行うのが施策です。施策には導入予定のツールの機能や、ベンダーのカスタマーサクセス、営業担当者による支援活動、自社で必要なタスクを書き入れていきます。この施策がインプットになって、アウトプットとして中間目的の状態が実現されるというようにお考えください。

ツールを導入する時のポイントは、中間目的で設定をしたあるべき状態を最も楽に、高い品質で実現するのはどれかという視点で選定することです。このサンプルでは、非対面の営業活動を推進していく上でウェビナーを配信するという重要な施策があり、ウェビナー配信であればZoomやYouTubeでもいいわけですが、Biziblという製品を選定しました。その理由は、国産でUIやUXに優れていたこと、各MAやSFAツールとの連携もできていたからです。

一方でお金や時間、関わる人のリテラシーといった条件を無視できませんので、廟算8要素からも選定していく必要があります。また施策の欄には自社で行わなければいけない作業を書き込み、複数部署をまたぐ重要な作業をプロジェクト型のマインドセットで部署間のすり合わせをしておくことが必要になります。

3つ目は、立てた計画について関与者部署と合意をすることですが、プ譜を関係者全員でつくるワークショップをお勧めしています。

ワークショップをすること自体が関係者間の合意形成のプロセスにもなるからです。

最後は真に信頼できるツールベンダーを選定することです。基本的にベンダーの営業担当者は顧客のプロジェクト側に立って全体の計画をするなどの訓練や教育を受けていないので、自社製品のスペックしか話さず、他社製品との比較優位性ばかり強調したり、事例資料ばかり送ってきたりします。

しかし、製品機能外のノウハウやツールを導入しようとしているお客様が必要なノウハウ、注意点など自社製品以外まで目を配らせるような情報提供・提案ができる営業担当者は、プロジェクトを構成するパーツパートナーとして信頼することができます。そこでこのプ譜を活用すると、ベンダーの営業担当者の力量を推し量ることができます。

例えば、作成したプ譜をベンダーの営業さんに見せて、「何かアドバイスいただけませんか」と声を掛けたときに、情報やノウハウを提供してくれる、あるいは担当者がその場で回答してくれなかったとしても、会社に持ち帰って上司や同僚と相談して提案をしてくれれば信頼できると言えます。そのようなパートナーをぜひ選んでください。

Sales Strategy Conference開催のお知らせ

次回のSales Strategy Conferenceは、2024年7月18日(木)・19日(金)の2日間にわたり、オンライン配信にて開催します。宣伝会議『営業戦略会議』が主催するイベント Sales Strategy Conferenceでは、「営業戦略の“策定”と“実行”の解像度を上げる」をテーマに、“真のDX化”を実行し現在の経営環境の中に適応、そして成長し続けている事例や最新トレンド、課題解決のヒントとなる視点をご紹介いたします。どうぞご期待ください。

詳しくはこちら

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