グローバルスローガン再定義から始まる、「ホンダらしさ」を実現する仕組み

同スローガンは2001年に発表されたもの。今回、新たに副文として「How we move you.」を加え、日本語訳を「夢の力で、あなたを動かす」とした。

イメージ グラフィック 新グローバル企業CM「MOVE篇」

新グローバル企業CM「MOVE篇」より。

「このスローガンは社内外に対して私たちの『ありたき方向性』を示すとともに、この変革期を、社員一人ひとりが内発的動機を持って行動していくための指針でもあります」と千田氏は話す。

「そしてまた、それを実行に結び付けるには、全社のオペレーションを変えなければいけませんし、時間と労力もかかります。経営の意思決定のための会議体は刷新し、さらには人事評価の基準や給与体系など、様々な取り組みが、新たな方向性に基づいて見直しが図られています。そして、このような変革期においては、上流の経営戦略から、それをアウトプットする出口のところまでを一貫した価値観で監督し、積極的にハンズオンしていくことが重要と考えています」。

そこで2023年4月に新設されたのが、新たな価値創造に向けた企業戦略の策定や実行、発信・ブランディングを強化することを目的に、ーポレート戦略本部直下に設立した「コーポレート戦略部」。そしてその中でもブランド戦略立案とそのアウトプットに関わる業務を担う部署として、「クリエイティブソリューションセンター」が設けられた【図1】。

【図1】本田技研工業組織図(2024年7月時点)

イメージ 図 本田技研工業組織図

同部門の役割は、コーポレートのブランド戦略立案とブランディングの実行に加え、経営企画にアート的な思考やクリエイティブを融合させること。本田技術研究所のデザインセンターよりアサインされたメンバーを前身に、昨年約30名で組織化された。全社の経営企画機能を担うコーポレート戦略部において、約半数がクリエイターという、ユニークな人員構成となっている。

コーポレート戦略部は、広報や企業プロモーションの領域はもとより、デザインセンターや、様々な領域、属地の戦略部門を横軸でつなぐ。例えば企業間でのアライアンス等では、技術や条件面だけでなくお互いの企業文化をすり合わせたり、共通するビジョンやパーパスを共創したりする際には、クリエイティブの力が必要になるという。様々あるこういったケースに同部門のメンバーが各部門と連携し組成したタスクフォースチームに臨機応変に加わっているという。


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