西松屋チェーンが取り組む、商品紹介に主眼を置かないオウンドメディア運営

西松屋チェーンで販売促進ブランド戦略を担当する西野正彦氏が、6月24日~7月1日に開かれた「宣伝会議サミット2024(夏)東京」に登壇。同社の課題に基づいた広告戦略、重要な広告施策のひとつであるオウンドメディア『MIMISTAGE』について話した。

入口と出口にある2つの課題

育児用品・子供服専門店を展開する西松屋チェーンは、全国47都道府県に1120店舗を持ち、29年連続で増収を達成するなど安定した成長を続けている。同社はタグラインに「子育て応援 西松屋」を、スローガンとして「お子様をお持ちの家庭の暮らしを楽しく豊かに」を掲げている。

宣伝販促部門では、5人の体制でマス広告からWeb広告、SNS運営、チラシ制作までと幅広い領域での施策を担う。広告戦略は「短期的な売上・粗利向上を目指す商品やセールの告知と、長期的なブランド力強化のための継続的な情報発信の二軸だ」と西野氏は話す。

この戦略を進めるなかで、現在同社は二つの課題に直面している。一つは入口戦略の強化だ。子育て応援を掲げる西松屋では、子どもが生まれた後だけでなく、その前の妊娠期から活用できるマタニティ用品や出産準備用品も多く揃えている。にもかかわらず、顧客の多くは出産後から同社を訪れ始める。この状態を脱し、妊娠期からの利用を促進することを目指す。もう一つは、顧客との関係の長期化だ。同社では小学校高学年頃までを対象に商品を提供しているものの、小学校入学前後で顧客の利用は減少する傾向にある。

「入口を強化した上で、一度顧客となってくださった方々と長期的に関係を築けるような施策を取ることで、顧客数や売上の最大化を目指しています」

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