リテールメディアで「接客の拡張」 売り場連動型の紙媒体で接点拡大、イトーヨーカ堂

メーカーとのタイアップ企画などを掲載

イトーヨーカ堂はリテールメディアによる販売促進に力を入れており、7月1日に紙媒体の売り場連動型フリーマガジン「はとぼん」をスタートした。「はとぼん」はメーカーと連携し、商品開発の背景やこだわりを伝える冊子(20ページ)で毎月1日に発行。発行部数は5万部で、イトーヨーカドーの42店舗で配布する。

写真 紙媒体のフリーマガジン「はとぼん」を売り場で配布

紙媒体のフリーマガジン「はとぼん」を売り場で配布

同社はセルフレジの導入などによって人件費などのコストを削減し、商品価格を抑えている。一方、セルフサービスのスタイルでは商品の特徴や良さを十分に伝えきれていないという課題があるという。

 

同社はリテールメディアを「接客の拡張」と捉え、接客で伝えきれない情報を伝達する手段とし、イトーヨーカドーアプリ、店内のサイネージ、ホームページなどでの情報発信に注力。「商品のストーリーを知ることで顧客が興味を持ち、購入につながることも多い」としている。

そこで同社は3月に「リテールメディアプロジェクト」を発足。プロジェクトはシステム、マーケティング、クリエイティブ、商品、店舗のオペレーションなど、様々な部署のメンバーで構成。イトーヨーカドーならではのリテールメディアを実現するために、顧客や店舗からの意見を参考にしながらプロジェクトを推進している。

アプリやホームページだけでなく、紙媒体のフリーマガジンを発行する狙いは、幅広いコミュニケーション手段によって、様々な顧客に訴求するためだ。顧客目線のコンテンツ作りにこだわり、顧客に興味を持ってもらえる情報を提供するため、社内に編集チームを設立。リテールメディアについて同社は「価値のある情報を提供することで読者を増やし、その結果として広告を見ていただく機会を増やし、収益を生み出すもの」と話す。


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