フジッコのヨーグルトブランド、売上300%成長を実現したリニューアルとは

というのも「植物性ヨーグルト」は、健康に良さそうなイメージはつくが「どんな製品なのかよくわからな」「いつも買っている商品があるので試し買いしづらい」といった印象を持たれることが多い商材です。つまり、商品理解がないとトライアルしづらいのが植物性ヨーグルトカテゴリーと言えます。

一方、「カスピ海ヨーグルト」はすでにある程度の認知も獲得している商品。「その一環で発売されたものなら試してみよう」と思ってもらえることに繋がったのだと思います。

実際に「カスピ海ヨーグルト」ユーザーや、かつてユーザーだった生活者からだけでなく、「カスピ海ヨーグルト」が気になっていたという方の購入が増えたことも相まって、トライアル率はリニューアル前比較、約3倍に増加しています。

ヨーグルト売り場にも豆腐売り場にも置ける「二面性」

──リニューアルを伝えるプロモーションではどのようなことを行ったのでしょうか。

「まるごとSOYカスピ海ヨーグルト」は発売して間もない商品であることもあり、大々的に投資できるような広告予算がないというのが正直なところです。なので、ほぼ確実に効果が出ると見込めるような施策にしぼって、効率的にプロモーションしていく必要がありました。

ここでも大きな力を発揮したのは「カスピ海ヨーグルト」の存在です。店頭で売られている「カスピ海ヨーグルト」にお試し用の「まるごとSOYカスピ海ヨーグルト」をセット販売する形で展開しました。いつも商品を購入してくださっているユーザーへ自然にトライアルの機会を与えられることになります。

写真 商品 マルヤス ベーシック 久居インター店での売り場の様子。

マルヤス ベーシック 久居インター店での売り場の様子。「今日はどのカスピ海?」というPOPとともにブランドシリーズを大々的に展開した。

──リニューアルにあたり、流通にはどのようなアプローチを行ったのでしょうか?「カスピ海ヨーグルト」は店頭販促に力を入れてきていらっしゃるので、気になります。

「まるごとSOYカスピ海ヨーグルト」の強みは、ヨーグルトでありながら、大豆も使っていることにあります。商品に二面性があるというとわかりやすいかもしれません。

つまり、ヨーグルト売り場にも陳列することができるのはもちろんですが、豆腐をはじめとした大豆製品売り場にも展開可能な切り口を持っているということです。実際に、豆腐売り場へ陳列いただくケースもありました。


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