NOT A HOTELの 「超プロダクトアウト」のマーケティング

世の中にどんな印象を与えたいかを徹底議論

山口氏はマーケティングチームの取り組みのポイントとして、①人間(顧客)中心 ②コミュニケーション ③システム の3つを挙げた。そのうち「人間(顧客)中心」が意味するのは顧客理解の徹底だ。

顧客を正しく理解するために、マーケティングチームでは定期的に定性と定量の両面で調査・分析をしている。同社における顧客分析は、プロダクトアウトをより強化するためのアプローチ。 定性調査では、外部のリサーチャーも参加してどのような調査方法が適しているかを設計する。顧客インタビューは1対1のデプスインタビューで掘り下げる。そこから定量調査でさらに可視化していく。

イメージ 定量分析のイメージ

定量分析のイメージ

第二のポイントである「コミュニケーション」は、ブランドの世界観を様々な手段で発信することを指す。具体的にはInstagramや、YouTube、ダイレクトメール、タクシー広告、Web広告、販売サイトのほか、パンフレットの送付、雑誌とのタイアップを行っている。

こうした施策でマーケティングチームが特に意識しているのは、「顧客とのタッチポイントすべてがプロダクトである 」ということ。「『超プロダクトアウト』だからこそマーケティングコミュニケーションにおいてもクオリティを常に追求しています。マーケティングチームの一番の特徴がこの意識だと思っています」(山口氏)

第三のポイントは「システム」としてマーケティングチームの体制について紹介した。マーケティングチームは、クリエイティブ領域とビジネス領域のメンバーで構成されるのが特徴だ。

イメージ マーケティングチームの体制

マーケティングチームの体制

ツールやビジュアルの制作にあたっては、リリースすることによって世の中にどういった印象を与えたいのかをチーム内で徹底的に議論している。

「我々が考えるコミュニケーション施策は、『本当に人の琴線に触れるか』という視点からスタートして、アウトプットを出しているケースが特に多い。それを単純なクリエイティビティだけではなく、そこからビジネスにつなげるように、クリエイティブチームとビジネスチームが両輪で回し続けていくというチーム体制になっている」

最後に山口氏は「NOT A HOTEL全体の組織に言えることは、アウトプットにこだわっているということ。また我々自身がこのNOT A HOTELというプロダクトに対して『強烈な愛と期待』を持っている。それが本日のテーマ『超プロダクトアウト』で一番伝えたい点だ」と結んだ。

山口 琢磨 氏

NOT A HOTEL Marketing Team

アラタナ(現ZOZO)にてSaaS型ECシステムの営業、ディレクター、ECコンサルを経て、mtc.で大手化粧品メーカーを中心にCRM領域のコンサル、ディレクターに従事。2022年9月NOT A HOTELに参画。マーケティングチームを立ち上げ、チームリーダーを務める。

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