大谷選手とベーブ・ルースが共演、ダンロップのDNAを伝える新企業広告

「想像を、追い抜け。」というコピーを体現する大谷選手

住友ゴム工業のダンロップブランドはメジャーリーガー 大谷翔平選手(ドジャース)を起用し、新しい企業広告を開始。7月23日に日本経済新聞に30段(15段2連)の新聞広告を出稿し、テレビCMの放映を開始した。

実データ グラフィック ダンロップ新聞広告

日本経済新聞に掲載された新聞広告

「ダンロップというブランドには、発明の歴史があります。1888年にジョン・ボイド・ダンロップ氏が世界ではじめて空気入りタイヤを発明したことに始まり、ハイドロプレーニング現象の発見や、ル・マンでの8連覇、日本初の自動車用タイヤ生産など、タイヤ業界を長きにわたってリードする存在でした。しかしながら、現在の国内業界では、売上もマインドシェアも、残念ながらトップではない。もういちど業界をリードするようなブランドの存在感を取り戻したい、という思いで、2021年から博報堂グループで丁寧にリブランディングを組み上げてきました」と、クリエイティブディレクター 井手康喬氏。

リブランディングに取り組んできたダンロップは、様々なコミュニケーションを展開してきた。2022年には「まずはタイヤの機能をわかりやすく知ってほしい」という思いから、ピクトグラムを用いてタイヤの機能や技術をピクトグラムで表現する「TYREGRAPH」を開発。2023年には、タイヤを自分ごと化してもらうために、カーライフスタイルにあわせて選ぶというアクションを提案する「あなたのタイヤに履きかえよう。」という動画を制作している。こうした流れの中で、「発明の歴史」というDNAをブランドの姿勢として表現すべく、手書きスケッチ風アニメを中心とした企業広告「想像を、追い抜け。」篇を制作した。そして2024年。この3年間で積み上げてきたリブランディングの要素を土台に、メッセージとメジャータレント起用の掛け算で一気に認知を広げていこうという考えから、同社は大谷選手の起用を決めた。
「大谷選手は、東北の街から、世界の頂点まで駆け抜けた方です。そして、いまだに最前線を走りつづけている。いまではその成功の戦績は間違いないものとして疑う人はいませんが、その途中ではきっと、自分が目指す目標を疑われたり、反対されたりしたこともあったのではないかと推察しています。甲子園に行きたい。プロになりたい。メジャーに行きたい。二刀流でいきたい。そういう夢を掲げるたびに、誰かに笑われたり、反対されたりしたこともあったのではないかと。ただご自身は自分の夢を信じて、成果を出して、そのたびに周囲の想像力を大きく超えていった人なのだと、私たちは考えています。その姿が、ダンロップが思い描く『想像を、追い抜け。』のイメージとぴったり重なったことが、大谷選手にオファーを出した理由です」

新聞広告のボディコピー内にも、そのエッセンスが込められている。

人がやらないことに挑戦するのは、
勇気がいる。反対の声もある。
私たちにも、目指せるだろうか。
誰も思いつかないような未来を。
絶対に無理だと言われるような夢を。
その予想を裏切る痛快さは、
走ることを止めなかった人だけが知っている。
ベーブに続け。大谷に続け。
世界中の、自分自身の、
想像を、追い抜け。

また、この企業広告と併せて、10月1日に新商品「SYNCHRO WEATHER」が発売されることを新聞広告で発表した。これは、従来のタイヤの常識と違う考え方で開発された新素材を採用し、夏タイヤとして十分な機能を持ちながら、従来のオールシーズンタイヤが苦手としていた氷上での走行も可能にした製品だ。「発明」というブランドのDNAを明言し、それを体現する具体的な大型新商品を発売するタイミングで、そのすべての象徴として起用するのに相応しいのが、大谷選手だった。
「実は、大谷選手の企画とは別に、違うタレントやキャラクターを起用した企業広告の企画についても最初は検討を重ねていました。が、やはり、今回のこの大きなメッセージを背負えるのは大谷選手しかいない、ということで、クライアントを含む全員で納得し、熱烈なオファーを出して、大谷選手側にOKをいただきました」

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ