大谷選手とベーブ・ルースが共演、ダンロップのDNAを伝える新企業広告

「野球の神様」と夢の競演

大谷選手の起用が決定してからも、ダンロップとクリエイティブチームは様々な企画を検討し、議論を続けた。その中で注目したのが、大谷選手とよく比較される「野球の神様」ベーブ・ルースだ。
「時代をこえて２人が共演したら、エンタメとしても面白いのでは。日本だけでなく、世界中の人が観たい画にできるのではと盛り上がり、企画が進みました。ベーブ・ルースも、当時『想像を、追い抜け。』を体現した人。伝えたいメッセージもより大きく、深く、印象的に伝わる確信がもてました」

演出を手がけたのは、井口弘一監督。撮影に向けて進めていく中でネックになったのは、撮影時間だ。大谷選手自身を撮影できるのはロスのスタジオで数時間のみだった。時間や場所が限られているにもかかわらず、今回あえてロケで撮影したのは、「映像の中に出てくるベーブ・ルースは現実ではない、だからこそ、リアリティのあるシチュエーションで出会わないと嘘の印象が強くなってしまう」と考えたからだ。

ロケ場所は、指定されたスタジオからクルマで５分の場所。イメージした設定は、「ベーブ・ルースと会い、話すことができる不思議な一日を与えられた大谷選手のオフ」である。
二人は、ロスの街を歩きながらいろんなことを話す。そのうちに、広場で野球をしている子どもたちを見かける。これからの野球の未来を想像させるような光景を目の前に、ベーブ・ルースが大谷選手に対して思ったことが、彼の心の声としてナレーションされる。
「その内容が、ダンロップが大切にしている信念でもあり、観ている人にも何かを感じとってもらえるメッセージになればいいと思いました。ただし、ベーブ・ルースが彼に対して抱く言葉は、故人の考えを後から創り出すことになるので、彼に関して残された記録や伝記映画をみんなで観たり、ベーブ・ルース側へ確認をとったり、というプロセスで慎重に決めていきました」

テレビCM「BABE→SHOHEI」篇

ベーブ・ルース役は、全米からオーディションで体系や顔つきのベースが似ている人を探し出し、現場で特殊メイクを施して本人に似せている。特殊メイクは、本場ハリウッドの映画界で活躍しているメイクアップチームに依頼した。
「現場で、大谷選手がベーブと話している気分になれることもとても重要だったので、このメイクの検証には力を入れました」
さらに、撮れた映像にCGによるディテールをプラスすることで仕上げている。ベーブの心の声のナレーターも、声の似ている人を起用するのはもちろん、現存している彼の当時の映像やテープから喋り方のクセや方言のアクセントなどを研究して、似せて喋ってもらい収録している。

撮影の現場では、時間がないながらも、子どもたちの存在もあって和気あいあいとした空気で進んだという。そして、CM撮影後の今年３月に、同社やクリエイティブチームにとって思いがけないサプライズもあった。
「この企画をとても気に入っていただけたようで、『ベーブとの２ショットを事前にインスタに上げたい』という旨の連絡を大谷さんご本人からいただき、僕らクリエイティブチームもクライアントも、よい伏線になるのではと思い実行していただきました」
その投稿はいくつかのニュースサイトで取り上げられ、『大谷選手がベーブ・ルースのそっくりさんと遭遇』という文脈で話題を集めた。

新聞広告で発表された新商品のテレビCM「SYNCHRO WEATHER誕生」篇は、2024年秋頃より全国(一部地域を除く)で一斉放映を予定。また、7月23日からは、東京・新宿駅、名古屋駅、神戸駅、三宮駅にて大谷選手とベーブ・ルースの姿を切り取ったOOHも開始する。掲出は、7月28日まで。

新宿駅で展開されているOOH

三宮駅で展開されているOOH

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