夏場の紅茶市場を開拓 キリンの「アイスティー」コミュニケーション戦略

写真 夏場の紅茶需要を喚起し、盛り上がりを見せた(名古屋会場)

夏場の紅茶需要を喚起し、盛り上がりを見せた(名古屋会場)

マーケティング部ブランド担当の川名翔子氏は「紅茶カテゴリーは、ほかカテゴリーと比較し、最盛期である夏に山場ができていないため、まだまだ伸びしろがある」という。紅茶カテゴリーは秋冬のイメージが強く、夏場にどのようなシーンで飲むべきかなど、魅力が伝わり切っていない点が課題としている。

そこで同社は、暑い日にアイスティーを飲むことの魅力を伝えるコミュニケーションを実施。氷を入れたグラスでアイスティーを涼し気に飲む姿を、暑い日の体験の象徴として描くことで、顧客の好奇心を掻き立てる戦略だ。「ちょっと贅沢したい」「気分を上げたい」と思ったときにリラックスできるといった紅茶が本来持っている嗜好性も訴求している。

夏の「アイスティー」コミュニケーションは、昨年の午後の紅茶レギュラー3品(ストレートティー、ミルクティー、レモンティー)のリニューアル発売時からスタート。23年夏(6~8月)のカテゴリーシェアは前年同期以上に伸長した。川名氏は「紅茶の本質価値を損なわず、カテゴリーに不足していた『夏に飲みたい爽やかさ』を付与することに成功した」と要因を説明。これまで同ブランドを手に取った経験が少ない層の購入を促進できたとしている。

今後も昨年同様に夏のアイスティー戦略を進めていく方針。午後の紅茶アイスティーを様々な場所で露出させるためのコミュニケーションを展開する。夏本番には、アイスティー広告のビジュアルを一新し、暑い夏を感じる場所に掲出する。夏の午後にアイスティーが飲みたくなるブランドコンテンツを新規で投入し、体験イベントを催すことで、広告と連動した実体験を広げ、夏のアイスティーや午後の紅茶を飲みたい瞬間を増やしたいという。


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