チェゴシム、チュンシク、BT21… 韓国キャラのヒットの理由➁

4.特に今目が離せない注目キャラ2選

さて、長くなってしまいましたが、最後は、特に詳しく解説したい「チェゴシム」と「チュンシク」についてです。

まず「チェゴシム」とは、2020年にイラストレーター・チェゴシムさんによって生み出された、カラフルで統一性のないキャラクターのことです。

普通、キャラクターには1匹ごとに名前があると思うのですが、チェゴシムは、出てくるイラストの子たち全員がチェゴシムと呼ばれます。

チェゴシムの公式Instagram

SNSのプロフィール文に「絵、勝手に持って行って」と書いてあったことで、まるで日本でいう「いらすとや」みたいに、人々が自由に使い、あっという間に拡散されました。この着火のさせ方は、SNSならではで、非常に面白いなと感じました。

またチェゴシムの独自の世界観は、自己肯定感・セルフラブ・ご自愛などといった、今の時流に非常にあっているなと感じます。そもそも「チェゴシム」とは、日本語訳で「最高心」という意味なのです。笑

そして、チェゴシムはいつもイラストとセットで言葉が書かれているのですが、その言葉が超ポジティブなところも人気の理由です。例えば「毎日うまく生きるのは不可能」など。

この言葉が例えば、「あなたはひとりじゃないわ。上手くいかない日だってあるかもしれないけどその次はきっと晴れるのよ…」などと感傷的だと、Z世代には拒絶感が出てしまうように感じます。

「ポジティブだけど適当」、「単純すぎる言葉でつい笑ってしまう、だけど明快で元気付けられる」という絶妙な塩梅が、チェゴシムのメッセージの良さなのではないかなと感じます。


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佐々木日菜(kakeru プランナー/イラストレーター)
佐々木日菜(kakeru プランナー/イラストレーター)

大学時代、フリーのイラストレーターとして活動。過去に制作した展示は、「どっちかといえばこっち展」「いい人すぎるよ展」「やだなー展」「みんなどんな感じ?展」「いい人すぎるよ美術館&切ないすぎるよ博物館」「うれしいすぎるよ展&そういうことじゃないんだよ展」など。展示ではイラストも担当している。著書に「いい人すぎるよ図鑑」。

佐々木日菜(kakeru プランナー/イラストレーター)

大学時代、フリーのイラストレーターとして活動。過去に制作した展示は、「どっちかといえばこっち展」「いい人すぎるよ展」「やだなー展」「みんなどんな感じ?展」「いい人すぎるよ美術館&切ないすぎるよ博物館」「うれしいすぎるよ展&そういうことじゃないんだよ展」など。展示ではイラストも担当している。著書に「いい人すぎるよ図鑑」。

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