AIの活用は、人間の可能性をどう広げてくれるのか

電通デジタルの石川です。今年の1月から始めたコラムも、各界で活躍される方々との対談も含め7回の連載を終え、気がついたら夏を迎えておりました。
初めて連載の執筆をさせていただいたのですが、長かったようで短く、もっと読者のためになる話をしたかったなと感じています。
またこの半年間でAIはどんどん進化し新しい技術が続々と登場しており、僕が最初に紹介していた技術はすでにいにしえの技術となりつつあることに驚愕しております…。

コラムでは様々なクリエイターと対談させていただき色々な発見があり、自分自身もAIについての考え方を見つめ直す機会になりました。

写真 人物 田中直基さん

写真 人物 赤松隆一郎さん

写真 人物 石川英嗣さん

みなさんとの対談を通じて驚いたのは、AIをクリエイティブに活用することに対して抵抗がなく、とてもポジティブに捉えているということです。
僕自身AIを得意とするクリエイティブテクノロジストですが、正直コラムを書き始めた頃はAIに対して懐疑的に思うところが多くあり…。AIをバンバン使うクリエイティブってこれで良いんだっけという率直な疑問を持ち、みなさんにも意見を聞きたいとう想いからコラムを始めました。
対談では、そんな僕の疑問にみなさん真摯に応えていただき、危機感を抱くだけではなく、これからどうやってAIを活用してクリエイティブジャンプを起こすかがとても大切なのだと感じることができました。実際に今年のカンヌライオンズでもAIを活用したクリエイティブが多数受賞しており、AIが世の中に受け入れられ始め、現にその成果も出始めていることを実感します。

一方で、つい先日、赤松さんと対談した回で話題に出てきた「Suno AI」に対して全米レコード協会や大手レコード会社が訴訟を起こしたりと、まだまだ著作権の話であったり、今後どのようにクリエイターを守っていくのかなど、整理をしていかなければならないことは多いと思います。

他にも、若手のクリエイターが全てのアイデアをAIに任せて、自らの思考の過程を省いてしまう。そんな様子を見ると、成長が止まってしまうのではないか、という恐れを感じます。
それでも、ブレスト相手に使う、コピーの視野を広げるために使う、表現として生成AIを使うなど、AIを活用することは今までではなし得なかった次世代の新しいクリエイティブの形であり、決して悪いことだけではないのかもしれないと感じることができました。

今でもAIに対して抵抗感を持っている方は少なくないと思います。
それでもAI嫌い、AIよくわからないと毛嫌いせずにうまく活用することで、自分の視野を広げ、自分だけではなし得なかった新しいクリエイティブ領域を開拓できる可能性があると信じています。

最後に、今回のコラムを通して僕は、AIには“人間の可能性を拡張”することができるということに改めて気づくことができました。AIと争うのではなく、人とAIが共に進化していける道筋を探していくことこそが重要なのだと思います。
このコラムでは、クリエイティブとAIの話、AIの活用方法、AIの技術的な話など様々な話をさせていただきました。もし何か一つでもみなさんの中でAIって面白そうだなと思っていただけたり、可能性を感じていただければ幸いです。

みなさま、この度は僕の疑問から始まった連載をお読みいただき、誠にありがとうございました。

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石川隆一
石川隆一

2018年電通デジタルに中途入社。音楽大学卒業後、レコード会社勤務を経て、AIエンジニア/プランナーとして入社。データ分析、画像処理、自然言語処理などにおけるAIのクリエイティブ応用を研究している。日本に200人しかいないkaggle Masterの一人。

石川隆一

2018年電通デジタルに中途入社。音楽大学卒業後、レコード会社勤務を経て、AIエンジニア/プランナーとして入社。データ分析、画像処理、自然言語処理などにおけるAIのクリエイティブ応用を研究している。日本に200人しかいないkaggle Masterの一人。

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