8月に有料試飲イベントを開催
アサヒビールは、ふたを開栓するとレモンスライスが浮き上がってくるRTD「未来のレモンサワー」を、首都圏・関信越エリアの1都9県にて8月27日から数量限定で発売する。発売前には、神奈川県、埼玉県、千葉県 で、高さ3メートルの光る巨大缶体から「未来のレモンサワー」を購入できる有料試飲イベントを開催。多くの人が集まる施設などでのイベントを通じて、認知向上と飲用機会の創出を図る考えだ。
原料調達などの課題を乗り越え開発した「未来のレモンサワー」
「未来のレモンサワー」は、レモンの味わいや香りを五感で体験できる新しいレモンサワーとして6月11日から数量限定で発売した。そのまま食べられるレモンスライスが入っており、レモンの本格的な香りが楽しめる。
6月3日から6月16日まで「渋谷PARCO」「渋谷横丁」で順次開催したイベントでは、計画比2割増となる約1万9000本を販売した。「渋谷PARCO」では高さ3メートルの光る巨大缶体やヒト型ロボットで「未来のレモンサワー」の魅力を五感で楽しめる世界を演出した。
成功要因について、RTDマーケティング部の余田憲亮担当課長は「光る巨大缶、ロボット、装飾などでお客さまが来店したくなるきっかけをつくることができた」と話す。SNSでも話題になったことで、来店につながったとしている。「渋谷PARCO」は幅広い層が訪れ、渋谷横丁では若年層の顧客が多かった。
同じく、6月4から6月16日まで先行試飲体験イベントを開催した「b8ta Tokyo – Shibuya」「b8ta Tokyo – Yurakucho」の2店舗では期間中に当初想定の4倍を超える約1万7000人が来店。「b8ta」の1日あたりの過去最高来店客数を記録した。「b8ta Tokyo – Shibuya」ではガジェットが好きな層が訪れたという。
顧客からは、「本物のレモンスライスが入っていてすごい」「おいしかったので、また飲みたい」といった反響が寄せられた。
2023年5月に実施したWEB上でのテスト発売において、首都圏エリアを中心に購入が多かったことから、首都圏・関信越での発売を決定。今後の全国発売については未定としている。
渋谷横丁の各店舗で「未来のレモンサワー」を期間限定で販売した
2回目の発売前には3県で有料試飲イベントを開催。会場は神奈川県藤沢市の「県立湘南海岸公園」(8月17日)、さいたま市大宮区の「大宮門街1F 門街広場イベントスペース」(8月24~25日)、千葉市美浜区ワールドビジネスガーデンマリブスクエア(同)。
余田氏は「未来のレモンサワーが世界初の仕様であり、これまでにない商品価値をお客様に提供できる商品と考えている」と話す。イベントでは、「これまでにない仕様でお客さまの驚きとワクワクを生み出す体験の場を創出したい」と意気込みを語った。
「未来のレモンサワー」は独自のフルオープン缶を使用することで、レモンスライスが浮き上がる様子とともにレモン由来の豊かな香りが楽しめる。そのまま食べることもできる本物のレモンスライスが入っているため、レモンの個体差や飲むタイミングにより1缶ごとに異なる味わいを感じることが可能。レモン由来の果実味たっぷりな風味と適度な酸味と苦みが調和した味わいが特長の「オリジナルレモンサワー」と、サワー液に糖・香料不使用でレモンの自然なおいしさが味わえる「プレーンレモンサワー」の2種で展開している。
以前から、本物の果実がそのまま入ったサワーのニーズがあったとしている。一方、原料調達や製造障壁のハードルは非常に高く、商品化への挑戦を回避してきた経緯がある。「生活者がワクワクすることに集中する」という同社のマーケティング方針の下、実現可能性や競合動向などを配慮せず、同方針の具現化を指針として全社が実行に動いたことで製造を実現したという。
余田氏は「レモンサワー市場はこれまで右肩上がりで成長してきたが、直近は停滞気味」と指摘。そのような市場環境の中で、既存の缶チューハイや缶カクテルにはない特長を持つ同商品は顧客の選択肢を拡大し、レモンサワー市場の成長につながると期待を寄せている。