ハースト婦人画報社、14誌のCFPを算定し雑誌奥付にて掲載

ハースト婦人画報社は、事業の脱炭素化に向けて温室効果ガス(GHG)の可視化に取り組んでいる。取り組みのひとつとして、雑誌製造から排出されるカーボンフットプリント(CFP)を全定期刊行誌において算定。2024年7月26日発売の『ELLE JAPON(エル・ジャポン)』9月号、『25ans(ヴァンサンカン)』9月号より、順次発売される全誌においてCFPを開示する。

写真 誌面 ELLE

『ELLE JAPON』の奥付。一冊あたりのCFP年間平均を掲載しているほか、二次元コードから「雑誌製造におけるカーボンフットプリント算定報告書」を見ることができる。

今回の算定は、2023年1月から12月までに発行した14媒体を対象に、同社の雑誌を印刷する大日本印刷、TOPPAN、日経印刷の協力を得て実施。可能な限り1次データを用いながら、原材料の調達から生産、流通、廃棄・リサイクルまでにおいて行った。

実データ グラフィック 算定をした工程のイメージ図。

算定をした工程のイメージ図。

各印刷会社から提出される算定データの基準に大きな差が出ないよう、基本的な算定範囲とルールをハースト婦人画報社で設定し、第三者機関が検証した上で算定結果を出したという。算定の結果、1冊あたりのCFPは1.4から3.8kg-CO2eq(年間平均)となり、原材料調達が83.6%を占めることが明らかとなった(雑誌に掲載されるコンテンツ制作に由来する排出量は今回の算定から除外しており、別途算定トライアルを進めている)。

この取り組みにより、同社の雑誌への広告出稿に伴うGHG排出量を可視化し、広告主に提供することが可能に。同社は2026年までに、CFP算定、GHG削減ノウハウを蓄積し、広告やイベント活動から排出されるGHGを実質ゼロにできる「カーボンニュートラル広告プラン」の提供を目指すという。

メディア向け勉強会を開催

また、ハースト婦人画報社はこれらの「雑誌製造から排出されるCFP」算定結果と2024年3月に発表した「イベント開催におけるCFP」算定結果をもとにした、メディア向けの「CFP算定に関する勉強会」を7月24日開催した。

写真 人物 複数スナップ 「CFP算定に関する勉強会」の様子。

「CFP算定に関する勉強会」の様子。

勉強会では、同社が実際に行ってきた取り組みの内容や、それらを通して感じた課題、今後の取り組みについて発表。雑誌製造におけるCFP算定の課題としては、グローバルルールを参照していても企業間で算定方法が異なることで、結果に影響する可能性があることから、個々の企業だけで行うのではなく、業界としての取り組みや統一ルールなどが必要となってくるのではないかと述べられた。

同社のCFP算定を推進した社長室 サステナビリティマネージャーの大竹鉱子氏は今後の取り組みについて、社内においてはより多くの社員が「算定を体験すること」を促進することで、社員の理解醸成やコミットメント意識を高めることに注力し、算定スピードや正確さといった算定精度の向上を目指したいとコメント。

また、社外に向けたアクションとしては、①業界・サプライヤーへの啓発、②消費者・読者への情報発信強化を掲げ、特に①を通して業界が協働していくことが非常に重要だと話した。

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