こんにちは。西武ライオンズ広報部長の赤坂修平です。
オールスターを挟み本日から後半戦。前半戦は結果が伴わない試合が続き、ファンの皆さまには大変申し訳なく思っております。
またオールスターでは公式SNSでファンの方への配慮を欠いた投稿をしてしまい、ご気分を害された方も多くいらっしゃると思います。この場をお借りしてお詫びいたします。本日から改めて気を引き締め直し、広報部一同しっかりやってまいります。
さて、今回のテーマは前回に続き、「選手ブランディングはこんなに面白い!」です。前編では「ミスターライオンズ」の栗山巧選手らを例に、広報部としてセルフブランディングの重要性をプレゼンしたというエピソードと、「構想力」の重要性についてお話ししました。
後編ではライオンズの選手の「ロン毛」にまつわる出来事とともに、「構想力+社内交渉力+社外発信力=広報力」というポイントについてお伝えしていこうと思います。
広報部員に「ロン毛に関する商品を作りたい」と相談が
2023年2月、春季キャンプが始まり、選手たちからは「セルフブランディングの人」とイジられましたが、異質な人材を受け入れてくれたという裏付けだと理解しました。
そんな時、エースの高橋光成投手と会話をする機会がありました。背も高いし、体も大きい。野球選手というより、プロレスラーのような巨体です。
その高橋投手に、なぜ髪の毛を伸ばしているのかを聞くと「ソーなんですよ。強くて、カッコよくないですか?」と返事が返ってきました。
自分の頭には「???」が浮かびましたが、よくよく話を聞くと、最初はゲン担ぎでしたが、アメリカのマーベル映画『マイティー・ソー』の主人公「ソー」に憧れて伸ばし始めたのだと言います。
さらに「ヒーローで、かつタフな存在ですごく好きなんですよ。自分もソーのように強くて、ゲームを支配できるピッチャーになりたいと思ってます」と話していました。洋服が好きでファッションにも気を使っており、獅子のたてがみのようなロン毛も非常にインパクトがありました。
「チームロン毛」部員募集中の動画も公開。
少し時は過ぎ2023年6月、世の中は株主総会のピーク。親会社の西武ホールディングスも同様で、当時ライオンズは山川穂高選手の事案で世間を大変お騒がせしてしまっていたこともあり、ライオンズについてだけでも想定問答はかなりの量になっていました。
緊張感漂う株主総会の中、ライオンズに対する言及がありました。裏で控えていた私は「きた!」と耳を澄ませていましたが、質問の中身は、両エース(高橋投手、今井達也投手)のロン毛に対する苦言でした。
また、山川選手についても、不祥事のみならず「金色の太いネックレスをジャラジャラさせて、ダブダブのユニホームを着て、ライオンズのクリーンなイメージがダメージを受けている」という内容でした。
想定にはなかった質問でしたが、ライオンズの奥村剛社長は「貴重なご意見として、選手たちと意見を交換し、球団として適切な対応を建設的にやって参りたい」と回答しました。
株主様のご意見はごもっともです。多くの世代から支持を得て、古くから日本のスポーツ界をけん引しているプロ野球界において、ファンの方から眉をひそめられる行為についての指摘です。
そんな中、実は裏で、あるプロジェクトが進行していました。開幕したばかりの頃、高橋投手から広報部員に「ロン毛に関する商品を作りたい」と相談があり「ロン毛グッズプロジェクト」が進んでいたのです。
提供:西武ライオンズ
「高橋光成投手は髪を伸ばした今井達也投手とチームロン毛を結成!そんなチームロン毛に加入できる!?なりきりヘアーキャップです。いつでもどこでも誰でも、高橋投手や、今井投手のようになれる夢のようなアイテム。このキャップを被った今までと違った雰囲気のあなたに、周囲は驚くこと間違いなし!」
こんな謳い文句のキャップでした。