LIFULL×八代目儀兵衛のマーケターに学ぶ「経営層と本気で取り組むブランディング」

ブランド投資への理解を得るには?

――経営トップをはじめとする経営層が他部門に向けてブランド投資の理解を得るために、どういった共通言語を用いているのか教えてください。

川嵜:渋沢栄一さんが言う通りで「論語と算盤」の両立が重要だと思います。ブランド投資をした際、「メディア露出をしてブランド認知が高まりました」で止まることがよくあります。そうではなく、その先の事業貢献効果までしっかりデータで可視化する「算盤」が、経営側とコミュニケーションを取るには必要です。

神徳:再び当社の規模の話になるのですが、20億規模の会社でCMなどのブランディング投資をすることがそもそも難しいです。そこで我々が意識しているのは、お金やリソースを割かずにブランドを強めること。具体的には、米の卸先の飲食店舗のうち一定のランク以上のお米使っている所には、儀兵衛のロゴ入り盾を置いてもらっています。飲食店側はそれを置くことでお米の美味しさをアピールし、逆に我々はそれをきっかけにお客さまに儀兵衛を知ってもらって、通販で直接お米を買っていただけることが多いです。加えて、ギフト購入者がお祝い返しでどんどん商品を広めてくださることで、間接的にブランドが広がっている側面もあります。

――従業員向けのコミュニケーションについて、マーケティングの立場でどう考えますか。

川嵜:主に3つの取り組みを行っています。1つ目は、定期的に社員に向けてLIFULLのブランド戦略を確認するビジョンシェアリングを行うこと。2つ目は、会社の経営理念と各組織のビジョン、各社員のキャリアビジョンのすり合わせを行なってもらって、それらが接続できていることを確認すること。3つ目は、上司と直下のメンバーが週1回必ず1on1を行い、仕事・プライベート・キャリアビジョンについて悩むことがあれば相談することです。以上の取り組みを通して、会社全体が目指すブランドの方向性と、社員が目指す方向性を一致させながら事業運営することを重視しています。

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