開店約9カ月で来場4万人突破 駅構内の立地生かしたビアスタンド、サッポロビール

写真 期間延長が決まった「BEER STAND SORACHI」

期間延長が決まった「BEER STAND SORACHI」

同店の店長を務めるのは、ジェイアール東日本企画北海道支店の近野恵佑氏。北海道生まれの北海道育ちで、以前から国内大手ビールのサッポロビールの存在を誇りに思っていたという。札幌市はビールの消費量が最も多い都市だが、札幌駅周辺にはサッポロビールに関連した施設が少ないと感じていた。

札幌駅は北海道新幹線の開業に向けた工事が進んでおり、周辺の商業施設やビアガーデンも少なくなっている。そのような状況で、札幌駅構内のキヨスクが閉店したため、その場所でブランドショップをオープンする3社合同企画がスタートした。通常のブランドショップはサッポロビールのグループ会社が運営するケースが多いが、今回は企画から店舗運営までジェイアール東日本企画が担当している点も特長だ。

駅構内にブランドショップを展開することで「サッポロビールの町に来たんだな」と生活者に思ってもらう狙い。仕事帰りにビールを買って帰る人が多く、生活者のニーズにも合致している。ビールの楽しさやおいしさを伝える店舗を札幌市の玄関でオープンすることで、地元住民にサッポロビールの町に住んでいることを改めて感じてもらいたいという。

昨年9月のオープン時には地元のローカル紙に大々的に取り上げられるなど大きく注目を集めた。ビール愛好者が多い札幌市にもかかわらず、駅周辺に関連施設が少ないという状況の中でオープンしたことが、集客につながったとみている。

きちんとした管理状態で一番おいしい状態の「サッポロ SORACHI 1984」を提供することで、新規客の獲得につながっている。同店のために駅の入場券を購入する人がいるほどの人気ぶりで、SNSなどの口コミでも好評の声が広がっている。

コンセプトショップの効果は「サッポロ SORACHI 1984」の周知だけにとどまらない。客席と注ぎ手の距離が近いことから、顧客との会話が生まれやすいメリットがある。ビールを味わうだけでなく、会話を楽しむ場としても親しまれている。サッポロビールとしても、顧客との会話を通じて同店やビールについてヒアリングし、店舗運営やブランディングに活用できるとしている。

元々が売店跡地のため、水回りが弱いというデメリットもあったが、同店ではその条件を逆手に取り、容器にグラスではなく100%リサイクル可能なアルミカップを採用。記念に持ち帰ることができるため、魅力の一つになったという。


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