JTBグループが35年ぶりに実施した大規模なリブランディング

社内にリブランディングの意義を浸透

社内への浸透策については4つのステップで進めていることを紹介した。まず、ステップ1については、経営層や組織長などのリーダーシップを取る層への理解促進を重視した。「役員や支店長など、約250人を対象にリーダーシップブランドフォーラムを開催しました。フォーラムの後には社長の山北をはじめ、約150人のリーダーの『私のリブランディング宣言』をまとめ、Web社内報を通じて毎週発信しています」(荒井氏)

また、ある支店ではリブランディングの目的や背景への理解が進んでいないという声を受けて、新入社員が研修で学んだリブランディングの意義を動画にまとめて発信する展開が生まれたことも紹介した。

ステップ2では新たなブランドイメージを感じられるブランディングツールを作成した。リブランディングで目指す姿を表現したブランドムービーも制作され、その動画を講演内で共有した。ブランディングツールには名刺やオウンドメディア「JTBeing」などがある。「一番好評なのはカラーを固定せず、社員自身が個人単位でカラーを選択できるようにした名刺です。社名ではなく個人の氏名をトップに表示するレイアウトになっていて、お渡しするときにリブランディングに込めた想いについて話をするきっかけにもなっています」(荒井氏)

スクリーンショット イベント ウェビナー 宣伝会議サミット2024(夏)

ステップ3は理解から共感・行動へ移す段階だ。行動喚起につなげるための施策として、名刺を発注した際に同封されるブランドカードや「Smile活動」について触れた。「Smile活動」については、ボトムアップの活動として全国150以上の拠点で各社、各支店が主体的に展開し、経営ビジョン実現に向けた組織風土改革と社員のエンゲージメント向上を目指している。

最後のステップ4について荒井氏は「社内の共感行動からさまざまなステークホルダーと共に活動し、社会へ価値提供を生み出す。『The JTB Way』を具現化するために社会と共創することです」と解説した。

荒井氏は、JTBグループがブランドプロミスのひとつとして掲げるサステナブルな社会の実現に向けた取り組みについても紹介した。「JTB地域いきいきプロジェクト」での顧客や地域と共に、観光地の清掃活動や自然環境の保全活動や、「Sustainable Voyage Project(サステナブル・ボヤージュ・プロジェクト)」による食品ロスへの取り組みを行っている。荒井氏は「JTBグループでは交流を創造し、挑戦し続ける多様性あふれるダイナミックなブランドを目指す取り組みを、今後も継続してまいります」と話した。

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荒井 寛子 氏

JTB グループ本社ブランド・マーケティング広報チーム ブランド担当部長

JTBグループが掲げる「新」交流創造ビジョンの実現に向け、ブランド戦略担当として、35年ぶりのリブランディングを推進する。ツーリズム事業に加えて、B2BではMeetings&Eventsや地域創生ソリューション領域のブランディングを強化している。大学卒業後、法人・個人向けの旅行企画や営業職、広報室長を経て、2022年から現職。

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