「自己投資」ニーズに対応 「ナノケア」シリーズでアジア市場シェアNo.1を目指すパナソニック

写真 人物 複数スナップ nanocare発表会

ザストリングス表参道(東京・港)で実施した発表会。計良氏とモデルによるヘアセットの実演も披露した

「ナノケア」シリーズは2005年に発売開始した。初の「ナノイー」搭載ドライヤーとして、乾かすだけではなく、髪と肌に潤いを与えるという新たな価値を提供。累計出荷台数は2023年度に1700万台を突破した。

ビューティブランドマネジメント部 国内マーケティング総括(兼)ビューティマーケティング部の杉田邦和部長によると、2005年当時のドライヤー平均単価は4000円ほどだったが、「ナノケア」シリーズを皮切りに1万円を超える高価格帯路線に進んでいったという。乾かすだけでなく「傷まない」「ケアできる」という顧客ニーズがあったためで、時がたつにつれて、付加価値がより重視されるようになっていった。

今回の新製品は高価格だが、「自己投資」に力を入れる顧客をターゲットとしており、オンラインによる顧客の悩み相談や様々な体験機会の創出によって訴求していく考えだ。ユーザー同士の交流を促す「ヘアサプ by Panasonic Beauty」では、髪の悩みや有効なケアの方法などの情報共有で盛り上げる方針。口コミによる販促効果も期待している。

「ナノケア」シリーズの成功要因について、杉田氏は「顧客のインサイトを起点とした商品開発、商品価値を正しく伝えたことが奏功した」と話す。新製品について「使うと魅力がわかる」としており、表参道のイベントなどを通じて体感を促す考えを示した。

「nanocare ULTIMATE」2種の海外展開は未定。まずは現行機種の「EH-NA0J」のほか、9月発売の「EH-NA9M」「EH-NA7M」を展開し、状況次第で「nanocare ULTIMATE」の発売を検討するという。

同社の理美容事業はコロナ禍を経て好調に推移しており、2023年度には「ナノケア」ドライヤー「EH-NA0J」が「ベストコスメ」など33冠受賞したほか、今年4月に累計出荷台数10万台を突破した手のひらサイズのシェーバー「ラムダッシュパームイン」、発売4カ月で計画比5倍の高周波治療器「コリコランワイド」などが注目を集めた。

同社は理美容事業において、2030年度に3000億円(2023年度比1.78倍)を目標に掲げる。グローバル市場においてもアジアを中心に伸長を図る。

注)記事中に記載していた商品名と数値に誤りがあったため訂正しました。正確には本文の通り「nanocare ULTIMATE」「2023年度比1.78倍」です。

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