電通と博報堂がプライバシーテック協会に加盟 広告業界におけるデータ保護技術の重要性

新たに賛助会員7社と、特別会員2団体が加盟

プライバシーテック協会は7月24日、新たに第1期賛助会員7社と、特別会員2団体が加盟したと発表した。アドバイザーも2人が参加。個人情報保護法の3年ごと見直しに関する議論が進む中、プライバシーやデータ保護の技術はますます注目を集めている。広告業界においても企業間のデータ連携が重要になってきており、新たに賛助会員として博報堂や電通が参加。データを安全に利用できる環境づくりに向け、業界の垣根を超えた活動を推進する。

新たに第1期賛助会員7社と特別会員2団体が加盟した「プライバシーテック協会」

賛助会員に加わったのは、JMDC、電通、博報堂DYホールディングス、KDDI、TOPPANエッジ、デロイトトーマツリスクアドバイザリー、NECの7社。特別会員には日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)とデータ社会推進協議会(DSA)が加盟した。アドバイザーは日本総合研究所、データ社会推進協議会の若目田光生理事、JIPDECの坂下哲也常務理事が加わり、計5人となった。

「プライバシーテック」は個人のプライバシーや組織のデータを保護するための技術の総称で、「PETs」(プライバシー強化技術)とも呼ばれる。プライバシーテックには「匿名化」「秘密計算」「差分プライバシー」「合成データ」「連合学習」など様々な技術が存在。「個人情報保護法」の3年ごとの見直し議論において注目が集まっている。

同協会は「プライバシーテック」の適切な普及促進を目的に活動している。プライバシーテックを安心安全な技術として周知するほか、プライバシーテックを用いた実証実験や事業化も実施。現行法の整理や新たなルールづくりも推進している。これまで5回の勉強会のほか、経産省や経団連など関連機関との意見交換、アドバイザリーボードの強化などを行ってきた。個人情報保護法3年ごとの見直しに関する勉強会や自民党との意見交換なども実施した。

プライバシーテック協会は設立から2年が経過したが、プライバシーテックの国内での認知度はまだ低いとしている。海外では導入が進んでいるものの、日本では法整備が遅れていることが課題だという。

今後は現行法の関係整理やルールメイキングに力を入れていく方針を掲げる。まずはデータを開示せずに暗号化したまま分析や学習を可能とする「秘密計算」の技術に注力し、普及活動を行っていく。

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