カヤックで移住事業を立ち上げ、自分も海外に移住することに…
はじめまして、松原佳代です。私は誰なのか、そして今回コラムを通じて、みなさんと一緒に「企業と社会課題(ソーシャルイシュー)の関係」について考えてみたいと思うに至った背景を、この第1回ではお伝えします。
まず自己紹介を。大学卒業後、初めて働いた会社で「広報」と「事業立ち上げ」という仕事に出会います。
それから編集の仕事を経て、面白法人カヤックというIT企業に入社しました。創業期から上場するまでの10年間、広報ブランディング、時々、事業開発や運営をしながら過ごしました。
移住事業をやっていた当時の写真。移住事業「SMOUT」は今ではカヤックの新しいチームが運営をし、日本最大級の移住事業へと成長しているようです!
その後、独立。スタートアップの広報支援を生業としながら、面白法人カヤックの子会社の代表を兼任し、移住事業を立ち上げます。そして移住事業をやっていたら自分自身が海外に移住してしまい、今に至ります。
現在は、米国の西海岸のポートランドという小さなまちに住みながら、日本の複数のスタートアップに顧問として参画し、経営やブランディング、広報をリモートでサポートしています。
また、私自身、ポートランドへの移住をきっかけに環境問題に着目をし、サステナビリティ領域の事業を立ち上げています。
コロナ禍にサステナブル事業で企業。日本でオンリーワンの、竹でできたトイレットペーパー事業を展開中。
まとめると、主に広報を生業としながら、興味関心の領域は経営やブランディング、社会課題。企業や事業を通じて、社会とのコミュニケーションを設計し社会課題の解決を目指すのが好きな人間です。
米国に暮らしてまもなく5年。しかしながら、日々赤面は続く。
米国に暮らし始めたのは2019年なので、この夏で5年。留学も海外生活経験もないまま、20年近く日本で社会人生活をしたのちに「えいや!」と移住してみたら、コロナがはじまり、ブラック・ライブズ・マターと呼ばれたプロテストがはじまりました。
そして、大統領選(今年もありますね!)、さらには、エスカレートするインフレに円安……と頻発する社会問題、経済問題に右往左往し続けているうちに4年が経過していました。
この調子でいくと気づいたら10年経ってしまう!と暮らしに変化を起こしたくなり、近所のコミュニティ・カレッジ(いわゆる公立の二年制大学で、地域の人のための高等教育機関でもあります)に通い始めたのが、2023年。このコミュニティ・カレッジでの体験が、今回コラムを書く、ひとつのきっかけとなりました。
そもそもコミュニケーションを生業としているにもかかわらず、自分の英語コミュニケーションの幼稚さと思うように伝わらないもどかしさに、英語を学ぶために通っています。
「日本とリモートで何の仕事をしているの?」と聞かれるたびに、こんなにも英語のコミュニケーションで苦労しているのに信じてもらえるだろうかと思いながら「ブランディングとコミュニケーション!……But Japanese Only」と答える日々だったりします。
私の通うコミュニティ・カレッジはポートランドの中では比較的、アジアン、アフリカン、ヒスパニックなど多様な人種の学生が多い学校です。これが幸いして4年目にしていわゆる「人種のるつぼ」的なアメリカを体験できました。
クラスメイトは、ケニア、チュニジア、メキシコ、そしてウクライナ、ベトナム、ビルマ(ミャンマー)、カンボジアなど、とにかくさまざま。クオーターごとにクラスが変わっても、毎回、日本人はわたしだけ。母国語で談笑するクラスメイトをいいなと眺めることもありますが、一人だからこそ、みんなのカルチャーやその国で起こった出来事の話を聞き、拙くも日本のことも伝えたいと思いながら通っています。