63万部販売のヒット書籍から紐解く、小学生とシニアの需要の共通点

小学生とシニアが共通して見出していた価値とは

読者ハガキには、次のような感想が書かれていた。

小学生からは、「本当に5秒で解けるようになって嬉しかった」「ワンステップずつ進んでいくからとてもわかりやすかった」「最後まで集中してできた」「最後に『認定書』が付いていて、達成感があった」「タイトルとカバーデザインが気に入っている」といった声があり、「わかりやすい」「できる」「達成感がある」というキーワードがよく聞かれた。

「まさに狙い通り。身につけた内容をお子さんが親御さんに教えるなど、親子のコミュニケーションツールになっているという嬉しい感想もたくさんいただきました」

一方で、60代以上の読者からは、「この年齢になって新しい知識を学べたことが嬉しい」「いつの間にか暗算ができるようになって感動した」「数学は楽しいものだと思えた」「タイトルとカバーデザインが良かった」といった声が上がった。よく聞かれたのは、「できることが嬉しい」「楽しい」というキーワードだ。

「わかったのは、小学生のお子さんと60代以上の方の感想には、できることが嬉しいといった点でほとんど違いがないこと。60代以上の方からは、友人に薦めた、孫にもプレゼントしますといった声も多く聞かれ、こちらも結果的にお孫さんやご友人とのコミュニケーションツールになっているようでした」

小学生と60代以上に共通していたのは、わかる、できるという喜びに価値を見出していたことだ。

「子どもも大人もここまで同じ感想になるのは想定外。そこを深掘りすることで、小学生とシニアが持つ需要の共通点が見えてくるのではないかと考えました」

小学生とシニアの需要に共通すること

小学生とシニアが持つ需要の共通点について、吉田氏は次の4点があるのではないかと考えている。

1つ目は、「新しいことを身につける喜び」だ。

「小学生のお子さんは、何かができるようになることが純粋に嬉しいと感じるようです。一方、60代以上の方は、年齢を重ねたり定年を迎えたりしてできないことが増えていく中で、新しいことができるようになることに喜びを感じているようでした。両者で背景は少し違っても、できないことができるようになるということに、大きな需要があるのだと思います」

2つ目は、「本当に実現できること」。タイトルにもあるように、「本当にたったの1日で19×19までの暗算ができるようになった」という声が多く寄せられた。

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