「スモールステップの構成によって、できるという実感をずっと持ち続けながら解き進められるようになっているので、それが口コミにつながり、さらなる売上増にもつながっていったと考えています」
3つ目は、「達成感と自己肯定感」。
「ずっとできるということは、ずっと達成感が得られるということ。それは自己肯定感にもつながります。最後までやり抜くことができて、何かを身に付けられたという経験は、子どもであっても大人であっても成功体験の一つ。それが商品への信頼や拡大につながるのではないでしょうか」
4つ目は、「わかりやすく、楽しげなパッケージ」。子どもファーストの書籍として、デザイン面は全面的に子どもの意見を参考にしてきたが、60代以上の読者からも「カバーデザインが良かったので購入した」という感想があった。
「ハードルをできるだけ下げた見せ方が、自分にもできるかもしれないという印象を与え、商品を手に取ることにつながったように思います」
本書には、続編として『計算の達人編』も昨年11月に発売されている。1作目である『19×19までかんぺきに暗算できる本』のテーマはそのままに難易度をやや上げた内容で、こちらも売上は順調に推移し、シリーズ累計で70万部を超えた。
「この度のヒットからわかったのは、シニア層の方は、新しいことを身につける喜びを求めていて、わかるできるが商品の満足感につながるということ。そして、自分が大きな満足感を得られた商品は、友人やお孫さんなどに薦めたくなるということ。また、本当に身に付くという達成感が自己肯定感につながり、できないことが増えていく中で、それが大きな需要になるということです」