ここまでやる! フェリシモが徹底する顧客理解と体験価値向上の取り組み

社内を巻き込む顧客理解の取り組み

同社ではデータ基盤の整備およびデータの利活用に加えて、顧客理解のためにN=1の簡易調査を拡充してきた。伝票調査とお届け箱調査の2つの方法を用いている。

まず伝票調査では、1人の顧客について時系列で見られるように環境を整備している。購入した商品、商品を届けた際に一緒に送付したカタログ、休眠時のダイレクトメールの内容などを活用することによって1人の顧客について理解することが容易になる。加えて、Webアクセスの履歴、メールDMの配信履歴、CSの対応履歴のタイミングなどを見ながらその顧客にとって時系列でどういう体験になっているのかを見やすくしている。

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もう1つがお届け箱調査で、自社運営の物流から出荷する直前の商品の入ったお届け箱を用意し、実際に出荷直前の商品であったり、カタログの入り方などを確認している。これを部門横断でカタログの担当者、商品担当、調達担当が集まって同時に観察をしている。それぞれ集まることによって自分自身が担当したものが、サービスでどのような役割を担っているのかを確認することができる。多くの社員が横断した顧客体験を観察することで、部門を超える作業を通して、担当部門がなくて見落としてしまった顧客体験の改善が可能になった。

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さらに顧客理解のために、取り組んでいるのが顧客との対話機会だ。創業以来店舗がなかったからこそ、アンケートを継続的に募っているほか、コロナ禍で実施しやすくなったお客さまとのオンラインインタビューも促進している。これらの調査には限られたメンバーが実施するのではなく、社員が自由に参加できる環境を作っている。多くの社員が自分自身の担当領域を超えて顧客の声を傾聴できる機会を増やしている。

フェリシモでは、アンケートなどで寄せられた顧客の声をもとに、伝票デザイン、お届け箱デザイン、ぬいぐるみを制作して世界中の子供たちにプレゼントをするHAPPY TOYS プロジェクト、フェリシモの募金活動、森基金活動、保護猫活動などの活動を推進している。「我々が企画をするうえで大切にしているのは①寄せられた声は企画で返す、②顧客がいるからこそ実現できる企画、③1回だけでなく継続的な関係で実現すること」(橋本氏)

ソーシャルグッドなプロジェクトを推進したい

フェリシモでは今後、昨年から進めている活動「GO!PEACE!」を進めていく方針だ。これは「みんなでうれしい未来を作る」を合言葉に、自然環境や野生動物の保全、フェアトレード、地域伝統文化の継承、病気、貧困障害への支援など、様々なテーマのソーシャルグッドなプロジェクトを行うもの。「フェリシモでは買い物を通じた気軽な社会貢献を今後とも提供していきたい」と述べた。

橋本 和也 氏

フェリシモ
定期便MC部 部長

2009年に新卒でフェリシモに入社。カタログ、Webの担当として、ブランドおよび全社横断の両部門を経験。その後、データ分析部門のセンター長に就く。現在はデータ分析部門に加えて、販売企画部門の部門長および部門を横断した顧客体験設計、PR部門などに関わる。

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