「デジタル接客」でEC販売を伸ばす、ビームスのコンテンツ戦略

イメージ ビームススライド

「スタッフコンテンツは、店頭に立ってお客様をご案内するのと同じように、ECサイトという店舗にスタッフ自身が立って接客しているという意識のもと、皆が投稿を行っています。商品詳細ページの情報だけでなく、4つのコンテンツもあわせて見ることで、実際に商品を手に取ることができなくても、安心してお買い物いただけるようにデジタル上で接客しています」

スタッフコンテンツのアカウントは、約2200人が保有。直近1年間において、スタッフコンテンツの1日の投稿数は平均1000件、月間では約3万件が投稿されているという。また、自社EC全体の売上に対し、スタッフコンテンツ経由の売上が62%(2023年度)を占めている。

「接客としての投稿を全社で啓蒙している結果が、スタッフコンテンツ経由の売上につながっていると考えています。目指しているのは、ECで販売している商品すべてに、最低1つはスタッフコンテンツが紐づいている状態です」

スタッフの投稿に対する評価も実施し、「認知力(PV数)」「ファン化力(フォロワー数)」「訴求力(お気に入り数)」「販売力(売上金額)」の4軸のバランスを見ている。ほかに、オンラインの接客賞や、リアルとデジタルの両軸で活躍するスタッフを評価する体制も整えている。

1日1000件のスタッフ投稿が実現できる理由

デジタル接客で、特に顧客を獲得し、投稿の質も高いと評価された26人の店舗スタッフを、オムニスタイルコンサルタント(OSC)として選抜。リアルやデジタルを問わず良質なビームス体験を率先して提供することと、OSCの取り組みや必要性を社内スタッフ全体へ波及することを役割として活動を行っている。

例えば、投稿の啓蒙活動の一つとして、店舗に所属するスタッフを対象にした投稿用の撮影会を開催。撮影のアドバイスや、ビデオ編集のレクチャーなどを行っている。また、定期的にOSCが集まるミーティングを開催し、世の中の動向を共有しながらさまざまなSNS投稿にもチャレンジしている。他にも、オンライン接客についての勉強会の開催や、デジタルの考え方についてのセミナー登壇などを行っている。


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