「マーケティング」と「DX」の両軸でレバレッジ
2018年創業のGENDA(ジェンダ)はM&Aを成長戦略とし、2040年までに世界一のエンタメ企業となることをミッションに掲げる。傘下には、国内外で「GiGO」などのアミューズメント施設を約300店舗運営するGENDA GiGO Entertainment、「カラオケBanBan」を約400店舗運営するシン・コーポレーション、映画配給会社として知られるギャガなどがある。
重村氏が所属するプロダクトマーケティング部では、グループ横断的なマーケティングおよびDXを推進。グループ会社の事業の高付加価値化、低コスト化を進め、さらなる全国展開を目指しているという。
重村氏は、同社が定義するマーケティングとDXを次のように説明する。「GENDAでは、消費者調査をもとにサービスをより高付加価値化することをマーケティングと捉えています。また、付加価値の高い業務の生産性を高めながら、付加価値の低い業務は削減や、自動化をすることをDXと捉えています。このマーケティングとDXを両軸に進めていくことが大きなレバレッジにつながると考えています」
職種の異なる「価値創造人材」を同じ部署に
GENDAがデータの活用を必要とする理由は、同社が連続的なM&Aによるグループ拡大を成長戦略としているためだ。各グループ会社の事業には「永続的なオーガニック成長」が求められるだけでなく、グループ会社間でのシナジー創出も必須となる。
そうしたデータ利活用において、特に重要になるのが「体制構築」だ。
「データの利活用において一番難しいのは、データの総合的な活用には様々な職種間の協業が必要になるという点です。ビジネスデベロップメント、マーケター、データアナリスト、エンジニア。それぞれが必要とするデータは、部署ごとに異なります。そして、それらを統合的に組み合わせる必要があるのです」
この点を解決するために、GENDAでは「価値創造人材」を同じ部署にまとめた。職種の違う人材が一緒に働くことで、お互いの強みや役割を補佐し合うタスクフォース的な機能を持たせている。そうすることで、情報の縦割り化やサイロ化が避けられるという。