成長組織のデータ利活用 体制構築と7つのステップ

次に重村氏が挙げるのが、データ利活用における「デリバリープロセス」の7ステップだ。

イメージ 図 データ利活用における「デリバリープロセス」の7ステップ

「まずは、インタビューなどで消費者のインサイトを発見する『インサイトディスカバリー』。次に、共通フレームワークで企画書をつくり、『Receptivity Test(受容性の調査)』を行います。会議体である『Green Light committee』では、企画にGOを出すべきかを判断。実行後は、要点をスライド一枚にまとめ、社内へのナレッジシェアを行います」

同氏によれば、このプロセスマネジメントの導入により、売上視点ではなく消費者起点での施策が増えたという。さらなるメリットとしては「よりアウトカムの大きい案件はどれか?」についてメンバー間でフォーカスする文化が醸成されてきた点を挙げる。

来店アクティブ数が5倍に増加

こうした体制が生んだ成果について、重村氏は次のように紹介する。「ゲームセンターの『GiGO』では、会員アプリのプロダクト開発を内製化。さらには、マーケティング戦略における『Who,What,How』の部分を再定義したことで、来店アクティブ数が2年間で5倍まで増加しています。また、レモネードを販売する『LEMONEDE by LEMONICA』の事業では、マーケティング調査によってファミリー層の獲得に課題があることが判明。そこで得られたインサイトをもとにキッズ向けキャンペーンを行ったところ、コストをかけずに前年比で15%の客数増を達成しました」

最後に、同氏が考える「V字回復を実現する最重要点」について話した。それは「妥協しない胆力」と「大胆にリスクを取る」ことの2点に集約されるという。

イメージ 図 Gigoアプリ

イメージ 図 金沢発のレモネードブランド

「V字回復を実現するには、誰もがムリだと思うほど高い目標を掲げることが重要になります。また戦略としても、たった一点の急所に呆れるほどのコストをかけ、腰を抜かすほどのリスクを取ることが必須になる。そのためのリソースとなる人材は、とにかく胆力があり、自分事として前向きに考え続けられる人を配置することが最重要だと思います」

重村 裕紀 氏

GENDA CPO プロダクトマーケティング部 部長

2016年4月 FiNC Technologiesにエンジニアとして入社。その後、同社プロダクトマネージャーに転向し、ヘルスケアアプリFiNCのプロダクトマネジメント業務に従事。2020年10月 株式会社GENDAに入社。同年12月よりCTOに就任し、開発組織づくりやコーポレートITの導入支援などを担当。その後、CPOに就任し、グループ横断的なマーケティング・DXの推進による事業成長を支援。

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