青山商事マーケティング部アシスタントチーフ宮下奈旺氏が、6月24日~7月1日に開かれた「宣伝会議サミット2024夏」に登壇し、「若年層に向けたショート動画施策」をテーマに講演した。
紳士服のイメージが強い「洋服の青山」 が女性向け販促強化
スーツ、オフィスカジュアル、フォーマルなどの衣料品を取り揃えた「洋服の青山」は、1964年に設立された会社で、全国展開をしている。
現在、同社が抱える課題は、①「紳士服屋」のイメージが強い ②オケージョン需要がほとんどであり、スーツ以外の商品の認知が低い ③紳士服のイメージが強いので女性が店頭に入りにくい ④コロナ禍でウェアリング意識が変化してカジュアル化が進んでいる影響で、特に若年層のスーツ離れが顕著になっている、という点だ。
「紳士服のイメージが強く、特にレディースウェアの認知度が低い」という課題を解決するために、同社では20代から30代女性に向けて、「洋服の青山はスーツからオフィスカジュアルまで幅広く商品を取り扱っている」ことの周知を狙いとした施策を実施している。「施策のキーポイントとなるのがSNS。当社の企業SNSアカウントは、通常投稿はフォロワー外の人がなかなかリーチされない仕組みになっていた。そこでタレントを起用してファンを起点に最初のきっかけを創出できないかと考え、長期的に接点を持つことで、洋服の青山の認知向上につながると考えた」という。
ショート動画にモーニング娘。を起用
メインターゲットに設定した20~30代女性に向けて、レディース商品の認知拡大・新規顧客の購買促進のために、同社ではタレントのモーニング娘。を起用。起用の決め手として、 ①メンバー数の多さと個性の多さから、コーディネートのバリエーションを演出できる ②メンバーの年齢層が幅広く、10代 メンバーでフレッシャーズの訴求ができる ③女性ファンが多く、女性グループで女性向けの共感訴求ができる ④ファンにターゲットの年齢層が多く、新規顧客獲得が期待できるため、の4点を挙げた。
ターゲットへのアプローチとしては縦型ショート動画が選ばれた。その理由としては「若年層は特にテレビの視聴時間が少なく、スマホの接触時間が増えている」「タイパを重視する傾向があり、動画を倍速で見たり、ショート動画への興味関心が 強い」という点を重視したという。