ヒット商品となった単身者向け食洗機「SOLOTA」の商品開発とプロモーション

プロモーションはインパクトのある話題づくりと、自分ごと化という二本の柱で展開した。ひとつ目の柱であるインパクトに関しては、ターゲット層への認知拡大と興味喚起を重視し、この層との親和性が高いアニメ「【推しの子】 」とのタイアップを活用した。ただ、単なるアニメ作品とのタイアップではなく、登場キャラクター「アイ」をパナソニックが広告塔として起用し、「SOLOTA」を宣伝するという手法を採用。「【推しの子】 」ファンと親和性の高いSNSも駆使して話題化を目指した。

「当社からの一方的な発信だけでなく、アニメの公式XやYouTubeアカウントからも発信していただき、相互で宣伝を図りました。ありがたいことに、原作者の漫画家さんのアカウントからも食洗機に関する発信をしていただくところにまで波及しました」(水嶋氏)

二本目の柱、自分ごと化については、ターゲット層の中でもガジェット好きや家事負担を感じている人に向けて、コンセプト動画やバナー広告を展開した。さらにX上でのキャンペーンや、開発の背景を紹介する動画の配信も行ったという。水嶋氏は「SOLOTAを認知した消費者に対して、手での食器洗いは最終手段という気づきを与える広告や、食洗機によって生まれる時間の余裕を表現した発信で商品のさらなる理解や購入につなげました」と話した。

こうしたプロモーションに加えて、「SOLOTA」は定額利用サービス(サブスク) という所有方法も提案した。食洗機へのニーズはあるものの、初期投資や食洗機そのものへの不安から購入に踏み切れない消費者に、定額利用サービス(サブスク) によってその課題をクリアしようと考えた。導入に際しては、ターゲット層への調査も行い、8割近い人が利用意向を示したことも後押しした。

「SOLOTA」は発売後約3カ月で計画比2倍の販売台数を突破し、定額制の契約数も計画比2.5倍という実績を残した。水嶋氏は「『【推しの子】』 とのタイアップも動画再生回数が1842万回を超えました。その結果動画広告に接触した人の食洗機利用意向は7割を超えました。Webメディアを通じた話題か化もあり、多くの反響が得られました」と手応えを話した。

最後に水嶋氏は「今後もパナソニックとして食洗機を当たり前に使う文化を広めていき、食洗機が自分や家族のために必要な時間を創出するためのプラスの価値を生み出す生涯のパートナーとなっていければと思います」と話した。

水嶋 理子 氏

パナソニック コンシューマーマーケティングジャパン本部 商品マーケティングセンター 冷蔵庫・食洗機マーケティング部

卓上型食器洗い乾燥機の国内マーケティングを担当。

細井 真衣 氏

パナソニック くらしアプライアンス社 キッチン空間事業部 冷蔵庫・食洗機BU 食洗機事業総括 プロダクトイノベーション企画部

卓上型食器洗い乾燥機の商品企画を担当。

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