代表と意気投合し、登山アプリのヤマップに入社
━━転職を考えたきっかけを教えてください。
しばらく数学教材の編集を経験したあと、本社に出向し、営業を担当。『進研ゼミ』に加入していただくためのDMや広告をつくるのが仕事で、人を動かす表現を考えるのはとてもやりがいがありました。
例えば、DMに載せる教材の誌面のサンプル。学校で学ぶ順でいくと「二次関数」の図版を選びたくなりますが、多くの受験生がつまずくのは、「数列」の単元なんです。であれば、サンプルは数列のページにするべきですよね。こんな風に、数学の教材編集者だったからこそわかる「説得のコツ」を具体的な形にできるのが楽しかったですね。
そのうちに、もっといろんな広告をつくってみたくなりました。それで広告制作会社に転職したんです。
━━どのような巡り合わせで異分野のヤマップへ?
広告制作会社でコピーライター・制作ディレクターの仕事をした後、化粧品メーカーで通販支援事業に携わりました。大手メーカーがダイレクトマーケティングにこぞって参入してきた時代でしたから、忙しかったですね。そこでは法人営業としてセミナー登壇をする機会も多々ありました。長時間のセミナーでも、参加者を引き付け続け、かつ、実践してもらえる内容になるよう、教育と編集と広告のノウハウを詰め込んで構成を考えていました。
その後、セミナーのご縁から、ネスレ日本の通販事業に携わることになりました。そんなある日、同僚が、「小野寺さん、山登りやるでしょ? 友人が『YAMAP(ヤマップ)』という登山アプリをつくったから使ってみてよ」と言ってきたんです。さっそくインストールしましたが、当時はまだまだ粗削りで使いづらいというのが正直な感想でした。
それから6年後、ヤマップがマーケターを募集していることを偶然知りました。縁あって同僚が紹介してくれ、代表取締役CEOの春山と話したところ、すごく会話が弾んだんです。純粋に自然と人のつながりをビジネスとして追求しているのがすごいなと。まだ黒字化していなかったので、なんとか早く事業を軌道に乗せたいと思いましたね。