花王から、下妻一高への転籍。校長になって初めての夏休みがやってきた!

夏休み前の全校集会 猛暑対策を兼ねてオンラインベースで実施

民間企業出身の校長として、茨城県の下妻一高の校長に就任し、4カ月が経ちました。学校はすでに1学期が終わり、夏休みに入りました。夏季休業前の7月22日(月)には教職員含めた全校集会を行い、4月から7月までの学校行事と、同じ時期に起こった社会ニュースを織り交ぜながら、校長講話をさせてもらいました。

学校現場にいると、民間企業にいた時のようには、なかなか学校外の情報が入りにくい環境であることが分かりました。ですから、なるべく時事ネタを組み込んで、いろんな情報を提供するようにしています。今回取り上げた時事ネタは、人口減少問題における地方創生、それに連鎖するかたちで起きる空き家問題、地方の農産物をアプリ開発で販売した高校生の事例、最後に東京都知事選における候補者のデジタル活用などについても触れました。

いま、社会でどういうことが話題になっているのか。そのなかで、自分はどの分野に興味があるのか。現在、その領域に課題があるとするならば、解決する術はないのか?みたいなことを考えてくれる生徒に育ってくれたらよいなと思いながらお話をしました。

そして、今回の講話で最も伝えたかったこと、それはいま、まさに教育業界でも求められている探究的な学びの大切さや、それを成し遂げるためのマインドセットであるアントレプレナーシップがとても重要だということでした。

デジタルの活用という意味では、今回の全校集会もオンラインをベースとした集会としました。この猛暑では、体育館に生徒全員を集めて集会を行うより、オンラインで全ての教室を電子黒板でつないで、大画面で私のパワーポイント資料を見ながらお伝えしたほうが効果的だと判断したからです。教室は空調も効いていますので、熱中症対策にもなります。こちらからの一方的なプッシュ型の集会であれば、このやり方は本校のスタンダードになる手応えを感じています。

写真 人物 複数スナップ 空調の効いた教室でオンラインで全校集会に参加する生徒たち。

空調の効いた教室でオンラインで全校集会に参加する生徒たち。

企業で実践した経験を学校に取り入れることによって、学校関係者がWin-Winになればいいですよね。デジタルを使うことが目的にならず、デジタルを活用することによって、価値が生み出されるのだということを、みんなに肌で感じてもらいながら進めていくことが必要なのだと思います。

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生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)
生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)

花王の販売子会社に入社し、営業部門で大手流通チェーンを担当。ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、2015年にECの営業マネジャーとなり、花王のECビジネスを推進。2018年に全社DX推進をするプロジェクト型組織の先端技術戦略室に異動。2021年にDX戦略推進センターを設立、全社DX戦略を担当した。過去3度、社長賞を獲得。花王グループのDXを推進し、ECビジネスの構築などの推進役を担う。

2023年に茨城県とエン・ジャパンが実施した「ソーシャルインパクト採用」において、茨城県内の中高一貫校・専門高校の「校長」を教員免許不問で公募するプロジェクトに応募。1645人の応募者のなかから選ばれ、花王を退職して2023年4月から民間出身者の校長として茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校に着任。

生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)

花王の販売子会社に入社し、営業部門で大手流通チェーンを担当。ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、2015年にECの営業マネジャーとなり、花王のECビジネスを推進。2018年に全社DX推進をするプロジェクト型組織の先端技術戦略室に異動。2021年にDX戦略推進センターを設立、全社DX戦略を担当した。過去3度、社長賞を獲得。花王グループのDXを推進し、ECビジネスの構築などの推進役を担う。

2023年に茨城県とエン・ジャパンが実施した「ソーシャルインパクト採用」において、茨城県内の中高一貫校・専門高校の「校長」を教員免許不問で公募するプロジェクトに応募。1645人の応募者のなかから選ばれ、花王を退職して2023年4月から民間出身者の校長として茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校に着任。

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