花王から、下妻一高への転籍。校長になって初めての夏休みがやってきた!

前年踏襲型の仕事の進め方はもはや限界、今こそ「両利きの経営」が必要に

また最近、私が感じているのが、前年踏襲型の仕事の進め方が限界に来ているということです。気温の上昇などの外部環境の変化により、学校行事の見直しや、今までのやり方を考え直す時期に来ています。でも、これを逆にチャンスだと捉えて、新しいチャレンジをするいい機会である、と先生方にはお伝えしています。

以前のコラムでご紹介させていただいたように私は、創立100年を超える茨城県の伝統校で実践する、『両利きの経営』を取り入れているのですが、この「両利きの経営の探索=新しいことを推進する役割」こそが、私の旗振りにかかってくると思います。どうしても過去のやり方にとらわれて、イノベーションが生まれにくくなる「イノベーションのジレンマ」に陥らないように、学校全体の意識付けをしていきたいと思います。

グラフ その他 筆者が作成した「両利きの経営」を下妻一高に落とし込んだ際のプラン。

筆者が作成した「両利きの経営」を下妻一高に落とし込んだ際のプラン。

今年度の私の学校経営のテーマは、「伝統校のアップデート」です。これは4月の職員会議で宣言したことです。私の今までのキャリア経験を活かすために、MBAで学んだビジネスフレームワークや、花王時代に学んだマーケティングフレームワークを使って戦略を立て、それを学校現場にも取り入れる事によって、教育現場のアップデートを図っていきたいと思います。

民間出身の校長に求められていること、それは民間企業の視点で新しい風を学校現場に取り入れること。教育委員会のメンバーや、県内の他の高校の校長先生からもそれは期待されていると感じます。県立高校の校長先生という職種の中でも、自分の“ポジショニング”をしっかり理解して、今後も期待に応えていきたいと考えています。

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生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)
生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)

花王の販売子会社に入社し、営業部門で大手流通チェーンを担当。ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、2015年にECの営業マネジャーとなり、花王のECビジネスを推進。2018年に全社DX推進をするプロジェクト型組織の先端技術戦略室に異動。2021年にDX戦略推進センターを設立、全社DX戦略を担当した。過去3度、社長賞を獲得。花王グループのDXを推進し、ECビジネスの構築などの推進役を担う。

2023年に茨城県とエン・ジャパンが実施した「ソーシャルインパクト採用」において、茨城県内の中高一貫校・専門高校の「校長」を教員免許不問で公募するプロジェクトに応募。1645人の応募者のなかから選ばれ、花王を退職して2023年4月から民間出身者の校長として茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校に着任。

生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)

花王の販売子会社に入社し、営業部門で大手流通チェーンを担当。ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、2015年にECの営業マネジャーとなり、花王のECビジネスを推進。2018年に全社DX推進をするプロジェクト型組織の先端技術戦略室に異動。2021年にDX戦略推進センターを設立、全社DX戦略を担当した。過去3度、社長賞を獲得。花王グループのDXを推進し、ECビジネスの構築などの推進役を担う。

2023年に茨城県とエン・ジャパンが実施した「ソーシャルインパクト採用」において、茨城県内の中高一貫校・専門高校の「校長」を教員免許不問で公募するプロジェクトに応募。1645人の応募者のなかから選ばれ、花王を退職して2023年4月から民間出身者の校長として茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校に着任。

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