発売3カ月で目標の7割達成 販売目標を1.3倍に上方修正した「キリンビール 晴れ風」

日本の風物詩を守る活動がブランド好意や購入意向につながると判明

キリンビールは、4月2日に新発売した17年ぶりのスタンダードビール新ブランド「キリンビール 晴れ風」の販売数量が300万ケースを突破したと発表した。発売から約3カ月で年間販売目標の7割を達成した形。好調な販売状況に伴い、年間販売目標を当初予定の430万ケースから約1.3倍となる550万ケースへ上方修正した。

日本の風物詩を守るための寄付金を募る「晴れ風ACTION」専用サイト

味わいへの評価だけでなく、花見や花火などの日本の風物詩を保全する寄付活動「晴れ風ACTION」が話題を呼んだ。ビールと密接な関係がある花見や花火などの「日本の風物詩」の継承問題などの解決を図るため、「晴れ風」の売り上げの一部で自治体などを支援する取り組みだ。

「晴れ風」購入時に自動的に寄付(350ミリリットル=0.5円、500ミリリットル=0.8円)される仕組み。専用サイトでは1日1回0.5円分の「晴れ風コイン」が無料で付与され、応援したい自治体を選んで寄付することもできる。マーケティング部ビール類カテゴリー戦略担当の小澤啓介氏によると、4月のサイトローンチから累計45万人が「晴れ風コイン」を寄付したという。

同社が発売後の顧客調査において「晴れ風ACTION」への関与度(「非認知」「認知」「寄付まで参加」)別でブランドへの好意や購入意向を聴取したところ、「晴れ風ACTION」への関与が高まるほど、いずれのスコアも向上していることが判明したという。

小澤氏は「『ビールを通じて世の中に対してちょっといいことができる』という今までにないコンセプトが、特に若年層を中心に新たなブランド選択理由になっているのではないか」と指摘した。

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