クリエイティブ視点で「情シスすごろく」をリニューアルしたお話。

ポップだけどリッチ。「情シスらしさ」のあるデザインとは

また、たくさんの方に興味をもってもらうべくメジャーなデザインにしたいという思いがあるのと同時に、「情シスらしさ」というのも大事にしました。

ビジネスを裏側から支え、実直にシステムと向き合っている、ある種の「素朴さ」のようなものを大事にしたいなと。

これは、「情シスすごろく1」のデザインを最初に見た時にも感じたものでした。さらっとしたクールで控えめなデザインは、飾り気のない「情シスらしさ」があっていいなと思ってたんです。

ただ、今回のお題はもっと裾野を広げるというものだったので、ポップにリッチにしながらも、その「情シスらしさ」は失わないようにしようと思いました。どちらかが一方が強くなりすぎないように、両方のいいとこ取りを狙った感じです。

具体的なところで言うと、以下のとおりです。

・パッケージの箱

「情シスすごろく2」という文字が立つように、シンプルな見え方にしています。

当初は、もっと派手だったりあえてすこしマニアックなデザインなどもデザインチーム内で検証したりしてたんですが、派手にしたりサブカルっぽくしたりするとボードゲームっぽいインパクトは出るんですが、「情シスらしさ」が逃げていくんですよね。

最終的には、ホワイトスペースをしっかりとって、「情シスすごろく」という言葉のユニークさを立たせるレイアウトにしました。そうすることで、素朴で控えめながらも一癖あるユニークさを演出する印象にしています。

・Thank youカード

このカードは体力とメンタルを全回復するチートカードなんですが、情シスの方に「業務で一番うれしいこと」をアンケートでとったところ「従業員から感謝された時がうれしい」という回答が多かったみたいなんです。すごく素朴ですてきだなと思いました。

そんな彼らのチャーミングな心情を表現したいと思い、このカードだけちょっと場違いなくらいのキラキラ光るホログラム加工を施しました。

・全体のイラストレーション

控えめながらも、ボードゲームらしいポップさを狙ったカラーリングにしています。実は、服装や姿勢や表情一つひとつも結構こだわりポイントになっていたりします。

僕自身は情シスの業界のことにまだあまり詳しくないのですが、同じインハウスデザインチームのメンバーが元情シスということもあり「これは情シスっぽくない」とか「こういう感じの人は業界にいそう」とか、細かな「情シスらしさ」のニュアンスを指摘してくれたんですね。

そういった普段馴染みのない世界の、常識のようなものをデザインを通して知ることができたのは新鮮で面白かったです。

他にも細かな工夫はいろいろあるんですが、こういったプロセスを経て「情シスすごろく2」は完成しました。

おかげさまで、「2」もすごく好評との評判を聞いています。細部にいたるまで、「情シスらしさ」をちりばめたことで、情シス以外の方にも情シス業務への興味喚起、理解浸透を促せる作りになったと思っています。

プレイしている時の様子。

いかがでしたでしょうか。今回は、「情シスすごろく2」の話をクリエイター視点でご紹介させていただきました。

次回は、インハウスクリエイターとして普段感じているやりがいなどについて紹介できればと思います。

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古野照雄(HENNGE クリエイティブディレクター)
古野照雄(HENNGE クリエイティブディレクター)

広告プロダクション、外資系広告会社を経て、2023年にHENNGEのクリエイティブディレクターに就任。デザイン戦略やブランド構築を担当。同社のメインプロダクトであるHENNGE Oneのリブランディングや、ユーザーコミュニケーションを向上させるデザインプロジェクトを手がける。

古野照雄(HENNGE クリエイティブディレクター)

広告プロダクション、外資系広告会社を経て、2023年にHENNGEのクリエイティブディレクターに就任。デザイン戦略やブランド構築を担当。同社のメインプロダクトであるHENNGE Oneのリブランディングや、ユーザーコミュニケーションを向上させるデザインプロジェクトを手がける。

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