人材不足を補うための、データ活用できる営業新体制を作るには?

イメージ バナー 営業戦略会議

20年近くにわたりマーケティングおよび営業変革コンサルティングに取り組む上島千鶴氏(Nexal代表取締役)が、7月18日、19日に開かれたオンラインイベント「Sales Strategy Conference」に登壇。事業成長のための営業組織の新体制について語った。

 

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2030年、営業の三重苦がやってくる?

260以上の事業体に営業プロセス変革のコンサルティングを行ってきた上島氏。コンサルティングを通じて、自走できる営業・マーケティング組織をつくり上げてきた同氏が、現在憂慮しているのが、2030年問題だ。

2030年には国内人口の3分の1が65歳以上になると予測されており、高齢者が増える一方で生産年齢人口が減少する。そして、多くの社会的課題が表面化するのが「2030年問題」といわれている。

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仮に65歳を定年とし、65歳を迎えた人のそれ以後の就業はないと考えた場合、「人員が不足することを見越して現時点からDX化などの策を講じなければ、長期的な事業成長が見込めない」と上島氏は警鐘を鳴らす。特に営業職については、人が集まらない、採用できない、定着しないという三重苦に陥る可能性が高い。

マーケティング組織における5世代モデル

こうした状況を受けて、直近10年の営業・マーケティング現場にも大きく3つの動きがあった。

まず、BtoB企業でもデジタル接点を活かしたマーケティング手法がかなり浸透した。特にコロナ禍以後は、事業部横断的な組織としてマーケティング本部を立ち上げる企業が増えたという。上島氏によると、BtoB企業のマーケティング組織は5世代に分かれる。

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「マーケティングプロセスを定義した上で、事業貢献率までデータとして把握できている状態が第3世代です。この第3世代を超えるのが非常に難しいのですが、それでも方法論や仕組み化はかなり浸透してきました。第3世代以降の企業では、顧客の解像度や理解度を高めた上で、中長期的な関係醸成のためにインサイドセールスなどの非対面組織を組織化し、事業貢献率を含めた指標をすべてデータで可視化する傾向が見られます」(上島氏)

顧客を理解するフェーズでは、一般消費財ビジネス(BtoC)で提唱されているカスタマージャーニーやペルソナではなく、企業内の意思決定プロセスやバイヤーズジャーニーにおけるキーパーソンが重要となる。また、製造業におけるBtoB商材は特に、組織単位の合議制で意思決定が進むため、リードタイムが長くなる傾向がある。そのため「成果を数値で測れるようなるには、最低でも3年のPDCAサイクルが必要だ」と指摘した。

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