ポストCookie時代に始めたい、顧客データの活用と対策法

ファーストパーティデータの活用や、サードパーティCookie規制の対策は、マーケティング担当者を悩ませる問題であり、他社がどのように取り組んでいるか気になる人も多いだろう。
本記事は2024年7月5日に開催された「宣伝会議リージョナルサミット2024夏 in 福岡」から、注目セミナーをレポート。新生堂薬局の水田 怜氏はドラッグストアが取り組むDX戦略を、クリテオの蠣原侑也氏はポストCookie時代に知っておきたいアクションを紹介した。

DX化によってコミュニケーションを生む

新生堂薬局は地域で一番の「ヘルスケアステーション」を目指し、ミッションとする「健康なくらしのお手伝い」のために、「食品強化型の調剤併設ドラッグストア」であり、「相談できる薬屋」となるべく、DX化に着手した。ドラッグストアや調剤薬局、オンラインで取得した顧客の情報を一元管理したID-POSなどを活用し、個々に合わせたフォローができる体制を整えた。DX化を進めることで、顧客に対して丁寧な説明や充分なコミュニケーションができ、「温もりあるコミュニケーション」につなげることができると水田氏は強調した。

写真 新生堂薬局の水田氏。DX化を進めることで、顧客に対して丁寧な説明や充分なコミュニケーションができ、「温もりあるコミュニケーション」につなげることができると話す。

新生堂薬局の水田氏。DX化を進めることで、顧客に対して丁寧な説明や充分なコミュニケーションができ、「温もりあるコミュニケーション」につなげることができると話す。

ドラッグストアにおけるDX化とは

続けて水田氏は顧客情報、商品情報、従業員情報、店舗情報などあらゆる情報を一元化したデータマネジメントプラットフォームによって、顧客の利便性、社員の生産性の向上に貢献した事例を3つ紹介した。

・「健康台帳」「美容台帳」:店頭での医薬品のカウンセリング販売をサポートするプラットフォーム。登録販売者が自信を持って接客でき、「温もりあるコミュニケーション」につなげられる。
・新生堂ハッピーアプリ:顧客データ、購買記録、アプリ内行動を踏まえて告知やクーポンを自動配信。サイネージにスマホをかざすと、購入可能性の高い商品のクーポンが配布される。
・LINE公式アカウント:調剤薬局を利用した患者に合わせてLINEメッセージを自動配信。回答に合わせて電話やオンラインで服薬フォローも行っている。

写真 「オンライン・オフラインを行き来する顧客の購買行動を把握し、最適なマーケティングを行うのが大切」と話す。

「オンライン・オフラインを行き来する顧客の購買行動を把握し、最適なマーケティングを行うのが大切」と話す。

水田氏は「オンライン・オフラインを行き来する顧客の購買行動を把握し、最適なマーケティングを行うのが大切」と話す。
そのほか、スマホホルダーで会計を簡単にできる「ショピモレジ」、待ち時間をゼロにする処方箋送信サービス「ヨヤクスリ」、忙しい人のためのオンライン診療・服薬指導「SOKUYAKU」なども導入。社員の生産性向上のために、作業の電子化・自動化を徹底し、機械化に投資した。
一方で、在宅患者へのカウンセリング、地域イベントの開催なども実施。水田氏は、「地域の中で健康にくらせるまちづくりに貢献するために、さまざまなことを機械化しながら、お客様とのコミュニケーションの量と質を高め、地域のローカルドラッグストアとして勝ち残ることを考えています」と締めくくった。

ポストCookie時代に向けて今すぐできるアクション

クリテオは100を超える国や地域から得た購買データを活用し、ユーザーの興味関心に合わせて適切なタイミングで適切な商品をレコメンドできることを強みとしている。
蠣原氏は、サードパーティCookieの制限が与える影響を踏まえ、今からできるCookie対策を紹介した。現在Cookie対策の手法が市場に数多くあり、企業がどれを選べばよいか分からない状態になっていると指摘。精度とパフォーマンスを両立し、「多面的なアプローチ」ができるソリューションの利用を推奨した。オプトインやログインによるユーザー認証のソリューションであれば、精度とパフォーマンスが高いものの、スケールが限定的になる。一方で、IDに依存しないソリューションであればスケールが大きいものの精度には欠けるため、「各ソリューションのメリット・デメリットを把握し、使い分けることが大事です」と蠣原氏は話す。

写真 クリテオの蠣原氏。サードパーティCookieの制限が与える影響を踏まえ、今からできるCookie対策を紹介した。

クリテオの蠣原氏。サードパーティCookieの制限が与える影響を踏まえ、今からできるCookie対策を紹介した。

Cookie規制対策には多面的なアプローチを

その上で3つの対策を紹介した。1つはファーストパーティデータを活用したものだ。自社で取得したメールアドレスをハッシュ化、IDに変換し、ターゲティングに活用できるという。ハッシュ化Eメールによって、クロスデバイスでのユーザーの動きの確認、配信可能ユーザーの増加、Cookieレス環境下でのコンバージョンの増加などパフォーマンス面で改善が見られた。また、サードパーティCookieの機能を模倣して設計した代替IDは、ユーザーからの許諾を得て媒体横断でオンライン行動履歴を収集できるため、プライバシーの問題もクリアになる。

写真 「各ソリューションのメリット・デメリットを把握し、使い分けることが大事です」と蠣原氏は話す。

「各ソリューションのメリット・デメリットを把握し、使い分けることが大事です」と蠣原氏は話す。

2つ目にGoogleプライバシーサンドボックスを紹介。Google社が提供する取り組みで、サードパーティCookieデータやトラッキングを制限した上でユーザーが情報収集をコントロールできるため、プライバシーを保護しながら安全にオンラインを利用できる。
3つ目に紹介したのはクローズドメディアだ。ログインして利用するソーシャルメディアやリテールメディアなどにおいてもクリテオ経由で広告配信ができるという。例えばMeta広告においては、配信機会の最大化、クリテオの入札エンジンをMetaで活用、クリテオのレコメンドエンジンをMetaで活用することも可能だ。
最後に、蠣原氏は「クリテオは、膨大なデータに基づくオーディエンスと、AI駆動の入札エンジン、目的に合わせた多彩なクリエイティブフォーマットでビジネス目標達成のための最適な組み合わせを実現できます」と締めくくった。

お問い合わせ

CRITEO株式会社

Cookie制限対策の詳細:https://www.criteo.com/jp/solutions/addressability/
お問い合わせ:https://www.criteo.com/jp/talk-to-an-expert/

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