雇用の多様化や人材の流動化は、マーケティングや広告の領域でも加速度を増しています。特にデジタル分野やコンサルティング会社が採用を強化し、さながら人材争奪戦の様相を呈しているといえるでしょう。
では、現場で働く人たちはどのような思いでキャリアを選び、転職を決めるのか。やりがいと給与、どちらを重視するのか。あの会社の評価は……。本連載では匿名インタビューでその本音に迫ります。
第3回は、ネット広告会社大手、総合広告会社のTBWA\HAKUHODOと、広告会社を渡り歩いた大澤さん(仮名)が、コンサルティング会社の門を叩いたワケを伺いました。
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CASE3: 大澤英之さん(仮名)
30代前半。地方国立大学卒業後、新卒で大手ネット広告会社に入社し運用コンサルタントとして複数クライアントを担当。TBWA\HAKUHODOに転職し大手メーカーのデジタルマーケティング支援を経て現職のコンサルティング会社に入社。マス・デジタルを含めた統合マーケティング支援を手がける。
地域に貢献できる人材になりたい
――新卒の就職活動で、ネット広告会社に入社した経緯についてお聞かせください。
周囲にベンチャー志向の人が多かったこともあって、IT系や広告系のベンチャー企業を中心に探していました。地方の国立大学に通っていましたが、その土地で就職することは考えていなかったので、東京に通ってベンチャー企業の面接を受ける日々でした。
その一方で、僕自身が地方出身ということもあって、次第に地域に貢献できることをやりたいなと感じるようになっていきました。そのために何が必要かを考えた結果、マーケティングのスキルを身に着けた方がいいとの結論に至りました。
特に地方は、大都市圏に比べてインターネットに疎い人が多い印象があります。彼らに対してもっとネットで物を売ることができた方がいいのではないかと考えていました。そしてそのための方法やスキルを学べそうだと感じて、デジタル広告に強い大手ネット広告会社への入社を決めました。