※本記事は月刊『販促会議』2024年9月号の抜粋記事です。
2024に6月にオープン「星野リゾート 1955 東京ベイ」に潜入
時代のニーズに呼応するようにビジネスにおける新たな挑戦のきっかけが訪れたとき、いかに柔軟かつスピード感をもって対応できるか。かつてならば中小やベンチャーの十八番であった動きだが、今や大企業にも求められる時代だ。
2024年6月20日、千葉県・浦安市に開業した「星野リゾート 1995 東京ベイ」。2023年12月31日に閉館した東京ベイ東急ホテルをオーナー変更の後にリノベーションし、半年足らずで新たなホテルとしてオープンした。
2nd Roomは広さ約470㎡のスペースに当時を彷彿とさせる様々なタイプの家具を配置。棚の小物や本も当時のものを揃え、まるでタイムスリップしたかのような気分にさせてくれる。電子レンジやウォーターサーバーなどがあるサービスカウンターもあり、機能面もばっちり。
(画像左)ルームキーはホテルの昼・夕・夜をイメージしたアートワークが描かれたカードの中から好きなものを選び、データを入力すると利用が可能に。(画像右)チェックアウトは館内に設置された返却ボックスにルームキーを入れるだけ。ボックスも1955年頃の郵便ボックスをイメージしたデザイン。
大きな窓の外に東京湾を望む4つの半個室スペースは、それぞれ異なるデザインのソファやカウチでゆったりと過ごせる。カーテンで仕切ることで身支度を整えるなどプライベートに使える個室スペースも用意。
総支配人の穴井主税氏によると、建物のオーナーが変更となり、そこから運営社として星野リゾートへ白羽の矢が立ったのが2023年初夏のこと。運営のオファーからわずか1年で開業した、同社として71番目となる施設だ。運営元が変わるにあたり、前ホテルの従業員の中で継続雇用を希望する人には同社への転籍を案内。さらに、施設や人材だけでなく、無料シャトルバスなど可能な限りの資産を引き継いだ。
ホテル名に掲げられた「1955」は、カリフォルニアのディズニーランドが誕生した年だ。浦安の一大テーマパークである東京ディズニーリゾートでの滞在を目的とした利用者が多いエリアのなかでも、利用者のニーズのトレンド傾向や近隣ホテルの状況などを独自に調査。そこから導き出した「テーマパークを出た後も余韻に浸りながら滞在ができる世界観をつくりたい」というアイデアから、1955年頃のアメリカをイメージした世界観をモチーフとして選択。「OLDIES GOODIES」をコンセプトに、こだわりが詰まったオンリーワンの世界観を追求しつつ、最新のセルフチェックインなど、少人数の従業員でもサービス提供可能なシステムを導入している。
館内では当時のアメリカで聞かれていた音楽を流し、朝はカントリー、夜はジャズやロックンロールなど、時間帯によって異なるジャンルのBGMを使っている。
ロビーの中心には1955年当時の銀行のカウンターをイメージしてデザインされたフロントカウンターを設置。一気にアメリカンオールディーズの世界へと誘う。
デジタルサイネージは世界観を重視して可能な限り使用していないが、無料バスの時刻表を表示したもののみ昼から夜まで表示。それ以外の時間帯はアートボードで隠している。
開園後から閉園後まであらゆる時間帯のニーズに対応
星野リゾートは、屋号を冠した「星のや」や「界」、「リゾナーレ」、「OMO」、「BEB」の5つのサブブランドがある一方で、「青森屋」や「奥入瀬渓流ホテル」、「西表島ホテル」など地域の特性や魅力を押し出した個性的な宿泊施設も運営している。今回のホテルはその枠に該当する。
このホテルの大きな特徴は、宿泊者が朝5時から手続きできるプリチェックインや、……
記事の続きは、月刊『販促会議』2024年9月号で。
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