【はじめに全文公開】『強みを見つけるブランディング―あなたの会社の「よいところ」ちゃんと伝わっていますか?』(戸部二実著)

人材採用についても同じです。会社説明会を行っても、自社の魅力や本当に求めている人材像が伝わらなければ、応募は増えず、時にはミスマッチさえ起きてしまいます。

それではどうすればいいのでしょうか。それを解決するのが、私たちカラビナが日々取り組んでいるブランディングなのです。

本書の構成

ブランディングとは、自社のブランド=強みや特徴を世の中に発信することです。そして対象とのコミュニケーションを最適化し、活性化し、企業経営を円滑にする一連の活動です。この活動にはいくつか踏むべきステップがあります。まず、ブランドを発信するためには“自社”がどのような存在なのかを知らなければなりません。ブランディングとは著名人を起用する広告戦略や新規事業を立ち上げる事業戦略などではなく、そこ(企業)に存在している固有の強みを見つけ、ブランドとして再定義し発信することなのです。企業ブランドとは外からもたらされるものではなく、自社の中にすでにあるものから引き出されるものなのです。私たちはブランドを作るのではなく、見つけ・掘り起こし、発信するという活動としてのブランディング戦略をサポートしています。

本書では、これまでの経験と実績をもとに、ブランディングの際に当事者が持つべき考え方や知見と、実際にブランドの発見から発信に至るまでの方法について述べていきます。

第1章では、基礎的な知識として「(一般的な)ブランドとは何か」「ブランディングとは何か」について解説していきます。本書の前提となる定義や考えについて述べる章です。

第2章では、ブランディングにおける重要なポイントであるクリエイティブについて掘り下げていきます。

第3章では、私たちがこれまでの活動で実際に携わってきたクライアントの事例をベースにして、ケーススタディ的に実践方法とブランディングの効能について触れていきます。業種業界は違っても普遍的な経営課題や解決方法を述べるので、ヒントになる部分は多いはずです。

第4章は本書の総括となる章です。事業承継とブランディングの関わりや失敗しないために押さえるべき点について解説しています。また、本書の裏付けとして私自身の来歴と照らし合わせ、「ブランディングについて追求する」領域で活動することになった経緯についても触れていきます。

また近年、ミッション、ビジョン、バリュー、そしてパーパスという言葉をよく耳にするようになりました。これらの定義やそれぞれの違い、そしてブランドとの関わりについて第一章、第二章でコラムとしてまとめました。

本書で提唱するブランディング戦略の素養は、企業ブランディングだけではなく、組織作りやチームマネジメントなど、あらゆるビジネスシーンで転用できます。もっといえば、ブランディング戦略とは広義では「コミュニケーションのスキル」ともいえます。あらゆる人間関係を円滑にする、人生を豊かにする考え方ということができるかもしれません。ぜひ日々のビジネスに、そして人生に、役立ててください。

この本を手に取ってくださったあなたへのメッセージで、「はじめに」を締めくくります。

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戸部 二実

カラビナ 代表取締役
コピーライター / クリエイティブディレクター

株式会社リクルート入社。新人時代より大手企業の採用ブランディングに関わり、30歳で独立。コピーライター・クリエイティブディレクターとしてリクルート制作社員を育成し、プロジェクトを牽引。2012年に、企業ブランディング会社、カラビナを設立。近年は、心理学・組織論・広告クリエイティブを融合させた組織活性コンサルから企業・採用ブランディングまでを手掛ける。中央大学大学院 戦略経営研究科修了 経営修士


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